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E-ディフェンス鉄骨造建物実験研究
研究推進の必要性

  地震災害の軽減をめざし、安心・安全な国づくりを実現するためには、一般的な建築構造物の30%強を占める鉄骨造建物の耐震性能の向上は必要不可欠です。
  既存の鉄骨造建物では、設計の想定を超える過大な変形領域の応答を強いられると部材の繰返し変形に伴う劣化や接合部の著しい損傷を免れえないことが明らかにされていますが、これらの構造要素の破壊が建物の倒壊に如何に結びつくかについてはまだ十分に判っていません。そこで、H19年度には、既存の鉄骨造建物と同じ構法で製作した鉄骨造建物試験体に対して完全崩壊に至るまでの実験を実施し、その破壊過程の解明と耐震性に関する余裕度を評価します。さらにこれらの実験データを参照しつつ、高精度・高性能シミュレーション技術の開発、最適補強技術の開発を行うとともに、ここで開発する諸技術に関する国際的なデータベースを整備して耐震補強技術の普及を目指します。
  一方で、阪神淡路大震災後のここ10年間で、機能性の保持を付加価値とする免震や制振など先端技術の開発が格段に進歩し、これらの機構が鉄骨建物に非常に多く適用されるに至っています。しかし、このような機械的もしくは化学的に調整された装置の建物への適用の歴史は浅く、実在する建物としての真の効果は実証されていません。そこで、H20年度以降、免震や制振など高付加価値をもつ鉄骨建物の効果と限界を、E-ディフェンスを使った実大実験により確認するとともに、この技術を導入した鉄骨建物の解析手法や設計法を、実験結果に基づき充分に検証した上で、社会に提供することを目指しています。
  さらに、免震・制振装置によらない新たな構法(イノベーティブシステム)の開発を、米国NEESと共同で行い、その性能評価実験をH20年度以降にテストベッドシステムを使ってE-ディフェンスで行います。この検証により安価かつ効果的な耐震性能向上技術の普及を目指します。

実大4層鋼構造建物の完全崩壊再現実験

  右に示す実大4層鋼構造建物の完全崩壊再現実験の実施を、2007年9月27日に実施しました。兵庫県南部地震のJR鷹取波100%で加振を行った結果、試験体1層柱の上下に局部座屈が生じて柱が大きく傾き、建物の鉛直支持能力が失われる層崩壊を再現することができました。
  また、本実験に対するブラインド解析コンテストを実施致しています。
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実大4層綱構造建物の完全崩壊再現実験写真
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