岩手山の山体表面温度観測について

平成12年12月6日
防災科学技術研究所

 防災科学技術研究所では火山活動の活発化が懸念されている岩手山の活動状況把握のため、火山専用空中赤外映像装置VAM-90Aによる温度観測を12月2日に実施した。即時データ処理による速報結果を下記に示す。

1.観測諸元

   (1)観測日時 : 平成12年12月2日 14時14分〜14時16分

(2)観測コース: 岩手山を東西に横切る1コース(IWT00-3)
観測飛行高度は、海抜3,200 m


(3)観測機器 : 火山専用空中赤外映像装置VAM-90A



2.観測結果

 姥倉山から大地獄谷にかけての地熱域で、最高温度29℃〜44℃のやや温度の高い領域が数カ所観測されている。今回の観測結果を1998年9月10日から2000年10月24日までに実施した5回の観測結果と比較した(添付表)。1999年以降、大地獄谷から姥倉山・黒倉山間の稜線にかけて、最高温度値に大きな変化はない。

添付表:VAM-90Aによる岩手山温度観測結果比較表
添付図:

2000年12月2日 薬師火口周辺部の地表面温度分布画像(バンド8:8-11μm帯)と可視光画像(バンド2:0.61-0.69μm帯)

姥倉山〜大地獄谷周辺部の地表面温度分布画像(バンド8:8-11μm帯)と可視光画像(バンド2:0.61-0.69μm帯)



VAM-90Aによる岩手山温度観測結果比較表*(各地域の最高温度を表示)

第1回 第2回 第3回** 第4回 第5回** 第6回**
観測日時 1998/9/10
09:13-09:19
1998/11/02
09:07-09:13
1999/10/01
07:45-07:50
2000/7/11
11:59-12:04
2000/10/24
15:49-15:54
2000/12/2
14:14-14:16
地域名





薬師火口周辺 55 23 37 54 38 24
大地獄谷 46 32 42 50 34 29
黒倉山 40 32 50 58 42 40
姥倉山・黒倉山
間の稜線
43 36 49 58 47 44
姥倉山・黒倉山
間の稜線北斜面 
<>内は最頻値
12〜26
<16>
−2〜9
<2>
2〜17
<8>
21〜29
<25>
4〜9
<7>
−7〜−1
<−3>
御苗代湖*** 15〜17 5〜7 12〜13 16〜17 5〜8 −−−
気温
盛岡地方気象台
岩手松尾
9h 10h
23.5 26.3
9h 10h
6.2 8.1
7h 8h
12.7 14.8
12h
27.6
16h
17.3
14h
7.0

* :飛行高度3,200m(対地高度1,200m、基準面高度2,000m)の観測値による温度。
** :速報データによる暫定値。
*** :御苗代湖の水温。気温の影響の指標となる。