印刷

新着情報

平成23年度日本地震工学会功績賞と論文賞を受賞

受賞防災科学技術研究所と社会防災システム研究領域の藤原領域長および森川主任研究員が、平成23年度日本地震工学会功績賞と論文賞をそれぞれ受賞し、その表彰式が平成24年5月24日に建築会館ホールで行われました。

 

平成23年度より新たに追加され功績賞は、地震工学および地震防災の進歩・発展、日本地震工学会の発展に顕著な功績があると認められた正会員あるいは法人会員に贈られるもので、防災科学技術研究所は、「強震観測網の整備と強震観測データの公開による地震工学および地震防災の進歩と発展に対する貢献」により、功績賞の第1号として表彰を受けました。

 

また、おなじく新設された論文賞の第1号受賞者として社会防災システム研究領域の藤原領域長と森川主任研究員も表彰されました。



受賞理由(日本地震工学会資料より抜粋)

功績賞:わが国では、現在、数千点で地震観測が行われており、地震発生後早期に強震記録が公開されている。これらのデータは、地震工学研究だけでなく、地震被害の早期評価、避難、応急復旧などの防災実務でも非常に有益な情報源となっている。防災科学技術研究所による地震観測網〔強震観測網(K-NET、 KiK-net)、高感度地震観測網(Hi-net)、広帯域地震観測網(F-net)〕はこうした全国における地震観測とその早期公開の先鞭をつけたものである。 この内、強震観測網(K-NET、 KiK-net)については、観測点の詳細な情報、検索機能、ユーティリティプログラム、表層のPS 検層や土質調査の結果などもインターネット経由で公開されており、この先進的な試みは、その後の強震観測のあり方に大きな影響を及ぼし、多くの機関でも強震記録を公開し始め、地震工学研究が大いに活性化されることとなった。運用開始から15 年以上が経過しているが、その間、様々な地震で貴重な強震動記録を提供してきた。それらのいくつかは、その後の地震工学研究の進展に大きな影響を及ぼした。震源過程のモデル化、1G を超える大加速度記録の成因解明、長周期地震動評価、液状化を含めた地盤の非線形増幅メカニズムの解明、構造物被害の原因の究明など、強震動記録に基づく研究成果は数限りない。さらに、得られた強震動記録は、耐震設計実務での構造物の動的設計でも活用されている。2011 年に発生した東北地方太平洋沖地震においても、K-NET による強震動記録は非常に有益であり、様々な地震現象の理解と地震被害原因の解明に寄与した。 以上のように、防災科学技術研究所の地震観測網の整備と強震観測データの公開は、地震工学研究の発展に顕著な功績があると認められ、防災科学技術研究所関係者の不断の努力と熱意に敬意を表し、功績賞を贈呈するものである。

 

論文賞:本論文は、確率論的地震動予測地図の検証として、過去に遡った確率地図を作成し、その予測結果と、当該期間に発生した地震による地震動強さとの実績とを全国約600万メッシュのデータを用いて定量的に比較・考察したもので、そのアプローチは世界で類を見ないほど独創性を有する。過去の地震との対比により、確率地図の有用性のみならず、確率地図の見方に対する留意点や課題が的確に指摘されており、確率地図の工学的利用に対して有意義な知見を与えている。なお、本論文が投稿された後に東北地方太平洋沖地震が発生した。この地震は本論文で扱っている対象期間外であるが、社会に極めて大きなインパクトをもたらした地震であり、本論文の補遺としてこの地震による地震動強さについても補足的な考察が追加されている。 以上のことから、本論文は論文賞に相応しいと判断した。


このページのTOPへ