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平成29年度日本地震工学会論文奨励賞を受賞

地震津波防災研究部門の久保久彦特別研究員が、平成29年度日本地震工学会論文奨励賞を受賞しましたのでお知らせいたします。

この賞は、日本地震工学会論文集に地震工学および地震防災に関する論文を発表し、優れた研究により地震工学および地震防災の分野で顕著な業績をあげたと認められた若手研究者で、受賞者の年齢が受賞年の4月1日現在で満35歳以下の個人または大学等に在籍する学生に授与されます。

受賞論文は、鈴木亘主任研究員、功刀卓主任研究員、青井真総括主任研究員とともに行った研究をまとめたものです。小笠原諸島周辺では深さが300 kmを超える深発地震がたびたび発生しており、規模の大きな深発地震の場合は日本の広い地域で強い揺れが観測されることがあります。例えば、2015年5月30日に発生した2015年小笠原諸島西方沖の地震(Mj 8.1)では、関東地方から東北地方にかけて最大震度5強の強い揺れが観測されたほか、47都道府県全てにおいて震度1以上の揺れが記録されています。この研究では防災科学技術研究所が有する強震観測網K-NET・KiK-netと広帯域地震観測網F-netのそれぞれの強みを生かすことにより、小笠原諸島周辺の深発地震による地震動の特性を明らかにするとともに、構築した距離減衰式による地震動予測に挑戦しています。

贈呈式並びに受賞者記念講演は日本地震工学会 第6回社員総会で行われる予定です。

地震動分布

2015年小笠原諸島西方沖の地震において観測された地震動分布(上段)および本研究によって予測された地震動分布(下段)。左から地表最大加速度(PGA)・地表最大速度(PGV)・震度(INT)の分布を示す。星はこの地震の震央を示す。


受賞対象論文

受賞対象論文:小笠原諸島周辺の深発地震による地震動の距離減衰特性

著者:久保久彦・鈴木亘・功刀卓・青井真 (2017)

掲載誌:日本地震工学会論文集、第17巻、4号、13-29、doi:10.5610/jaee.17.4_13Blank

受賞コメント

今回の受賞対象となった論文は私が防災科学技術研究所に入って、最初に行った研究をまとめたものです。それまで行ってきた研究とは異なる分野にチャレンジしたこと、また深発地震による地震動はその独特な伝播特性のために非常に複雑であることもあり、この研究を論文としてまとめるまでには紆余曲折がありましたが、その成果が日本地震工学会の論文奨励賞という形で評価されてとてもうれしく思います。今回の受賞に際し、これまでお世話になった方々および地震観測網の整備・運用に携わってきた方々に改めて感謝すると共に、これからも地震観測網で得られる記録に基づき、地震災害の防災・減災へとつながる研究に取り組んでまいりたいと思います。

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