災害過程の科学的解明と効果的な災害対応策に関する研究
災害から速やかに
立ち上がる力を備えるために

災害とは単に人命や財産が失われることに留まりません。その本質は「日常性の崩壊」と言われます。災害への備えとは、建物やインフラを強固にすることだけで達成されるわけではありません。私たちの社会の制度や仕組み、組織や個人の能力、あるいは文化として、災害から速やかに立ち上がる力を備える必要があります。
このために、防災科研では、災害発生によって社会にどのような被害が発生し、どのような回復過程を辿るかを、防災実務や災害現場との協働を通じ、科学的に明らかにします。そしてその理解に基づいた効果的な防災対策・防災教育・防災政策の提案を目指します。
災害過程の科学的解明に関する研究
災害過程の科学的な解明のために、災害過程とそれを規定するレジリエンスの構造をモデル化し、経験的データにより実証するとともに、その知見をもとにレジリエンス評価指標を開発し、地域社会の防災活動の結果を評価する指標として整備します。

効果的な災害対応策に関する研究

総合知による応急対応DXの推進
市町村による避難所運営業務を対象とし、動的な支援システムを開発します。具体的には 、
(1)マルチハザードを対象とし(R4は気象災害に特化)、脆弱性情報からライフラインの被害予測ならびに避難者の予測を行います。
(2)ICSに準拠し実施すべき業務内容をWBSで構造化し、規模の見積、必要な応援規模の推計を行います。
(3)避難所運営業務の実施状況および現場の状況を記録するCloudEOCを開発します。
(4)CloudEOCの記録を元に次の責任担当期間における業務見積もりを行います。

知の統合基盤の開発と実装モデルの構築/OSS-SRの応急対応DX連携
市町村が実施すべき応急対応業務のうち避難所運営業務を対象に、過去災害における経験や記録情報から知識を抽出し、構造的に整理することで「型」の1事例を構築します。また、ファシリテーション技法を活用し、部局単位での意思決定に対するAARモデルを構築します。
