第3回高専防災減災コンテスト要旨集
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16講評 審査員長 筑波大学システム情報系社会工学域 教授 川島 宏一閉会の挨拶 防災科学技術研究所 理事長 寶 馨このコンテストの課題は、既に学んだ手法を適用することで答えを出せるものではありません。皆さんは、アイデア検証を進めていく中で、現実の社会では、ステークホルダーそれぞれが違った思惑や制約を持っていることを学ばれました。そして、ステークホルダーと対話をする中から、現実の課題の深みや幅の広さ、複雑性を理解して、それを踏まえた議論の中から出てきた様々なアイデアや知見を合わせて融合することの難しさ、大切さを学ばれたと思います。さらに、問題解決提案を地域の方々に実際に受け取ってもらうためには、関係する方々に賛同、共感してもらえる提案としての整理が必要となってきます。対話の積み重ねによってアイデアを融合する力、融合したアイデアを、総合的にまとめてプレゼンするというところまで求められます。そのプレゼンの機会が今日のこの最終審査会の「場」だと思います。来年度は、ぜひ今年培われた能力を踏まえて、さらに実装に向けて踏み出していただきたいと思います。本コンテストの主役は、高専生の皆さんです。高専生の皆さんが、チームのメンバーや学校の先生だけでなく、地域のステークホルダー、メンター等、学外の人との議論も深めて検証されたアイデアは、地域の防災力をきっと向上させるはずです。今後、実際に皆さんのアイデアが社会実装されていくと、皆さんもさらに成長できますし、周りの方も防災のことを考えてくれるようになります。そして、アイデアが社会へ実装されることで、本当の意味で社会の防災力が高まっていくのではないかと思います。最終審査会は、学校の中だけの活動に留まらず、外ともつながって、検証したアイデアを発表できる素晴らしい場であると思っています。高専生の皆さんには豊かな発想力と実行力があります。皆さんの若い力を合わせて、多様なアイデアを出してくださり、大変良いコンテストになったと思います。今後もこのコンテストを盛り上げていって、高専防災減災コンテスト―高専防災甲子園-の輪がより一層広がるように、私たちも努めていきたいと思います。本日は大変ありがとうございました。

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