第3回高専防災減災コンテスト要旨集
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22口径16 mmの継手の模擬漏水(左)と1.75 MPa 1分間の止水初成功の様子(右)NHK会長賞文部科学大臣賞文部科学大臣賞高専機構賞国際科学振興財団賞防災科研賞沼津工業高等専門学校間防災ネットワーク』構想の始まりです。それから4年。今年度、本コンテスト初の合同チームが誕生しました。アイデア検証では、ステークホルダーとのコミュニケーション不足から当初の提案通りに、とまでには至りませんでしたが、各高専の不足分を他の高専が補うことができたなど、複数の高専の協働には意義を感じることができました。 今後は本ネットワークに参加する高専を増やし、さらに多くの様々な視点や専門知識を活かすことで、全国各地にある高専がそれぞれの地域の防災拠点を担えるよう活動の幅を広げたいです。 和歌山工業高等専門学校第1回高専防災減災コンテストで文部科学大臣賞を受賞した「防災学習砂場」は、改称前の第4回高専防災コンテストで最優秀賞を受賞したRPG防災教材とともにステークホルダーの和歌山県土砂災害啓発センターに常設され、来訪者への実演、小中学校の出前授業や地域のイベントでも利用され好評を得ています。また、第2回高専防災減災コンテストで文部科学大臣賞を受賞した「ロボット先生をプログラミングで動かして学ぶ防災学習」については、展開に向けて準備中です。さらに、高専機構賞の祭りプロジェクトも継続しています。木更津工業高等専門学校千葉県館山市では上水の約1/4が漏水で失われ、製造原価で年間4.4億円の損失があります。水道企業団では例年400件超の修理工事に追われます。「口径30 mm以下の塩ビ管継手の漏水に対する不断水補修具がどうしても必要でメーカを説得したい」と、2023年5月にご相談があり、試作に取り組んできました。2024年8月には静水圧1.75 MPaに対して1分間の止水に成功し、試作ながらも製品に近い性能を実現しました。2024年9月には漏水補修工事の現場を終日見学し、不断水補修具ならば工事の時間も半日になり費用も抑えられることが明確になりました。取組みの甲斐があり、2024年12月には漏水補修具メーカにおいて製品化を前提とした開発が行われる方針が決定しました。石川工業高等専門学校に広げることで2023年度第2回コンテストではNHK会長賞を頂きました。第1回コンテストの業績が津幡町でも評価され、第2回コンテスト最終審査と同時期に「R5年度避難誘導設置業務」が石川高専に対して正式に委託されました。2023年度は約50基を設置、2024年度も約50基の追加設置が予定されており、2025年以降はさらにペースアップして、約100基を設置する計画です。5年ぐらいかけて町全域をカバーすることを目標に活動しています。当初、シール形式のみだった標識も、多様な設置条件に対応するため、アクリル板形式も開発されました。次年度以降はQRコード読み取り方式だけでなく、冗長性・拡張性を考慮した新しい情報通信の形を模索しているところです。「地域の防災上の課題解決には各高専が持つ知見を相互に活用できるのではないか」これが『高専2022年度第1回コンテストで防災科研賞を頂戴した本取り組みは、そのアイデア検証を地区全体第1回高専防災減災コンテスト第2回高専防災減災コンテスト防災科研賞第1回高専防災減災コンテスト第2回高専防災減災コンテスト第2回高専防災減災コンテスト第1回高専防災減災コンテスト第2回高専防災減災コンテストNHK会長賞「地域固有の防災教育の実践と高専間防災ネットワークの構築に向けて」「高専間防災ネットワークを諦めない!~沼津高専×産学官民連携による防災減災用教材を全国へ~」「防災学習砂場の開発」「ロボット先生をプログラミングで動かして学ぶ防災学習」「Sustainable Education of Disaster Prevention~地元の祭りとのコラボレーション~」「小口径塩ビ継手の漏水に対する不断水補修具の試作開発̶ 南房総地域の社会的損失の止水を目指して」「まちなかハザード標識で災害情報空白地帯をなくす~ハザードマップの現実空間への展開~」「あっ見つけた! まちなかハザード標識」高専防災減災コンテスト後の活動

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