谷口晃祥・片嶋将人(学生)、辻原治(顧問教員)小学校において、「防災」は□□□□年度から必修化されたが、科目化されていない。そのため、学習に対する動機づけは特に大切であり、小学生が興味を示すような教材の開発が重要である。防災学習というと堅くて、特別な授業というイメージがある。しかし、文部科学省は、既存の科目や総合学習などで学習させることを求めている。本企画は、プログラミング学習の要素を取り入れて、生徒がゲーム感覚でロボットの動きをコントロールしながら、土砂災害について楽しく学習できる教材を開発し、実践を通じてその効果を計測した。検証内容小学生に対する防災教育において、「自然災害に関する知識を得ること」、「災害から身を守ること」、「災害から人々を守る行動」の指導の重要性を考慮し、土砂災害の3つのカテゴリ(がけ崩れ、地すべり、土石流)の大型模型と、砂防堰堤など、それぞれの対策工の模型も作成した。これらの模型により、現象の理解、対策工の役割などについて学習してもらった。自然災害のリスクを事前に確認し、前もって、避難の手順やルートを順序立てて考えておく。いざ災害が発生し、避難行動のスイッチが入ると、そのとおり実行できる。このような災害に対する思考と行動連鎖の過程が「プログラミング的思考」と共通する。この取り組みでは、小学生が自分たちで、ロボットを安全に避難されるための経路を考え、プログラミング+通信機能でロボットに伝えて避難させる授業を展開した。ロボット先生をプログラミングで動かして学ぶ防災学習和歌山工業高等専門学校ロロボボッットト先先生生ををププロロググララミミンンググでで動動かかししてて学学ぶぶ防防災災学学習習取り組みを通じて得られた成果1)小学校で普段使われているプログラミング言語Scratchを使うことで、無理なく授業が行えた。2)那智勝浦町立市野々小学校で実践し、児童と教員にアンケート調査を行った結果、良好な評価が得られた。3)同校での授業には、和歌山県教育委員会、那智勝浦町教育委員会の教育長が視察し、また、テレビ局や新聞社の取材があり、大きな反響がった。4)ロボットは安価に製作できるため、横展開も可能である。ステークホルダーヒアリングで得られた取り組みへの期待ロボット作りの楽しさを伝えるなどの目的で出前授業を展開している㈱村田製作所を訪問し、アドバイスを受け、また独自の技術で低コストの人間ロボットを作成して防災教育を行う企画に賛同してい頂いた。那智勝浦町立市野々小学校で授業の実践を行うにあたって、事前ヒヤリングを行った。同小学校は、過去の大雨で大規模な土砂災害を経験しており、新たな方法による防災学習に対して、期待を寄せていただき、全面的に協力して頂いた。提案者企画概要文部科学大臣賞(審査員長)コメント和歌山高専チームコメント取り組み成果・効果取り組み内容4文部科学大臣賞文部科学大臣賞を受賞した「ロボット先生をプログラミングで動かして学ぶ防災学習」は、防災教育とプログラミング教育を合体させた独創的な取り組みです。事前に災害をイメージして、プログラミングのように順序立てて避難行動を考えることの大切さに気付かせてくれました。避難行動を自分の頭で考える教育、ロボットと被災フィールドの制作を通じた手を動かす教育、コミュニケーションで相手に想いを伝える教育が一体となっている点がすばらしく、他の地域にも広がって欲しいと思います。取り組みの中で大変なこともあったのですが、このような賞をいただけて頑張ってよかったと思う。メンターの皆様、ステークホルダーの皆様、研究室でお世話になった辻原先生、ご協力いただきましてありがとうございました。昨年に引き続き文部科学大臣賞を受賞することが出来て、本当によかったです。昨年は後輩が受賞していて、受賞結果を聞いてすごいなーと思って憧れていたので、今年は自分が受賞出来て本当に嬉しいです。ありがとうございました。和歌山工業高等専門学校
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