。□9⾧谷川陽仁、伊藤陸斗、岩永悠馬、岡崎真武、岡林大和、戸田海翔、中村天音、野尻琢真、一宮一夫(教職員)大分県では全国と比較して高齢者の割合や豪雨の発生頻度が高く、人が立ち入れないような場所での高齢者の孤立や豪雨被害に伴う道路閉塞などが大きな問題となっている。このような背景を踏まえ、災害発生時の逃げ遅れた人物と道路・河道閉塞の検知システムを搭載した救助者を補助できるような情報伝達ドローンの作成を行った。また、近年様々な分野で急激に普及が進むドローンを災害時に安定して活用していくために官公庁やテレビ局、ドローンセンターへのヒアリングを行い、その検討を行った。検証内容機械、情報、電気・電子、都市・環境の4学科混合の□名のグループでハード作成と社会実装のための検討を行った。活動開始時には□□□□チャートにより大分県の問題点について考え、テーマ決定後は工程管理表を用いて連携を図りながら検証を進めた。機械班⇒機体の設計・加工・組立・改良電気班⇒回路の作成情報班⇒機体制御・人物・道路閉塞検知システムの開発都市班⇒社会実装のための関係者との連携上記分担にて検証を進め、搭載予定の機能の開発をし、人為的に制御した状態での飛行に成功した。これをうけて明確になった「安定した飛行」「災害時の通信方法の確立」「社会実装のための枠組み」の3つの課題に重点を置き、機体の改良と社会実装のためのステークホルダー(国土交通省九州地方整備局、大分県生活環境部防災局、西日本ロボット・ドローンセン局、大分県生活環境部防災局、西日本ロボット・ドローンセンター、□□□テレビ大分)へのヒアリングを実施することで、本アイデアの有用性を検討した。取り組みを通じて得られた成果プラスチックより剛性が高く□□□□より加工が容易かつ安価な□□□□□□□を機体の材料に採用し、試作品と比較して大幅な軽量化を行うことが出来た。搭載には及ばなかったが、機械学習によるカメラで撮影した画像内の人物・道路閉塞部分の検知に成功した。グループで期限内に限られた条件で検証を行い、災害現場でよく耳にする「想定外」の失敗にかける労力の見積もりの重要性を今回のモノづくりを通して実際に体験することが出来、防災技術の必要性を改めて実感した。ステークホルダーヒアリングで得られた取り組みへの期待災害が発生した場合は人命を最優先として救助活動を行うため、逃げ遅れた被災者の状況を把握することは救助活動を行う上で大変重要であることから、本アイデアの有用性を再確認することができた。ドローンの災害現場での利用は普及が進んではいるものの、地域や利用状況には差があり、技術的課題(安全性)と社会的課題(法律)の両方の解決が必要不可欠であることから、時代に合わせた拡張性をもち、人命を救うようなドローンとなることを期待する。提案者企画概要取り組み内容今回のコンテストでは、実社会のリアルな問題を対象として、ステークホルダーとの対話を通して、解決方法の試行錯誤を繰り返し、そこから磨き上げてきた提案の数々がありました。リアルな問題を直に感じている問題のオーナーである実務者の方々の声から得られた気づきが提案アイデアのきっかけとなっていました。コンテストでの経験と若さを活かして、社会を変革する起爆剤として活躍されることを心から期待しています。最終審査会では、それぞれのチームからの、創意あふれるアイデア、防災にかける意気込み、ステークホルダーへのインタビューなどの研究成果の発表はたいへん良かったです。高専生たちの新鮮な考え方に感銘を受けただけでなく、このコンテストを通して防災に役立つモノづくり、ネットワークづくり、情報づくり、地域づくり、学びの場づくりなど新しいチャレンジができたのだと信じております。防災科研の研究者もメンターとして一緒に取り組みましたが、アイデア検証活動を防災科研として支えていくことで、皆さんとともによりよい防災が実現される社会を目指していきたいと考えております。高専防災減災コンテストは、防災の分野の高専生の全国大会です。全国大会ですから「高専ぼうさい甲子園」という別名をつけても良いのではないかと思っています。今年賞を取れなかったところは来年もこの全国大会出場そして受賞を目指して頑張ってください。これまで、主催者として、高専機構、国際科学振興財団、防災科研の三者でコンテストを進めてきましたが、今後は民間企業からサポートいただく話もお聞きしております。どうぞよろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。取り組み成果・効果講評 審査員長 筑波大学システム情報系社会工学域 教授 川島 宏一閉会の挨拶 防災科学技術研究所 理事長 寶 馨救助活動を補助する情報伝達ドローン大分工業高等専門学校救助活動を補助する情報伝達ドローン大分工業高等専門学校
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