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    研究開発課題「雪氷災害の発生予測に関する研究」に係る事前評価結果について

平成12年8月22日

1. はじめに
 防災科学技術研究所は、平成9年8月7日に内閣総理大臣が決定した「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法のあり方についての大綱的指針」に基づき、同年12月17日に「防災科学技術研究所における研究開発等実施要領」を策定し、今後の研究開発課題等の評価を本要領に沿って行うこととした。
 本要領においては、新たに重点的資金により実施すべき研究開発課題を選定する場合は、原則としてあらかじめ外部の専門家等による事前評価を実施することとされている。
 平成13年度概算要求を行うにあたっては、特別研究1課題を対象とすることとした。
 なお、今回実施される研究開発課題の事前評価は、本要領策定後昨年に続き2度目となる。
2. 対象課題の概要
 評価対象である特別研究「雪氷災害の発生予測に関する研究」は、雪氷災害の中で現在最も関心の高い事項の発生を高精度で予測するシステムを構築しようとするものである。先ず、分解精度の高い降雪分布予測を行い、次に積雪の変質予測をする。これらに基づいて吹雪、雪崩、着雪の発生、および道路雪氷の予測を行い、時代と社会のニーズに対応した対策技術の向上に資するとともに、迅速な雪氷災害の発生予測および情報提供に関する研究を推進する。 
 防災科学技術研究所に最近整備された、種々の雪氷環境を再現可能な「雪氷防災実験棟」を最大限活用しつつ、住民から強く要望されている、精度の高い雪氷災害の発生予測の研究開発を行う。
 本研究課題の計画年度は平成13年度〜平成17年度の5ヶ年を予定している。
3. 評価目的
 ・研究開発の方向性・目的・目標等の決定及び着手すべき課題の決定
 ・研究開発計画・研究開発手法の妥当性
 ・研究資金・人材等の研究開発資源の配分の決定
 ・期待される成果・波及効果の予測の判断に資する。
4. 評価方法
 研究開発課題外部評価委員会を設置・開催し、研究責任者から新規研究開発課題の計画等の説明を受け、質疑応答・論議を踏まえたのち委員長は全体をとりまとめ、報告書を所長に提出する。
5. 評価結果
             事前評価報告書

 研究課題名: 雪氷災害の発生予測に関する研究
 評価委員会委員長名: 前野 紀一                作成年月日:平成12年8月1日
評価の視点 評  価  結  果
[研究目的と目標]

  問題意識の明確さ
 研究目標の妥当性
 研究課題の独創性

本研究で選定された四つのサブテーマはいずれも古くからの重要課題であり研究例も多いが、その研究問題意識と目標は明確である。特にこれまでの世界の研究成果の欠けている点を新しいアプローチで補強し最終的に予測システムの構築を目指している点で独創的である。

[社会的背景]
 必要性及び緊急性
 国の研究計画との関連
 独法人が実施する意義
雪崩・吹雪・着氷雪・道路雪氷の研究及びその予測システムに対する社会的要求は依然として高く、本研究の成果が期待される。またそれは独立行政法人研究機関に対しても同様と考えられ、この点からは、研究成果の実務的、工学的応用も考慮すべきと考えられる。

[研究構成と内容]
 サブテーマ設定の妥当性
 アプローチの妥当性
 研究ポテンシャル
サブテーマの設定及びアプローチは妥当と考えられ、本研究遂行のためのポテンシャルも十分あると判断される。またサブテーマ(5)の次世代研究棟と雪氷コンソーシアムの構想は日本だけでなく世界の雪氷災害研究の重要な試金石となるであろう。

[研究計画と予算]
  年次計画の妥当性
 資金規模の妥当性
研究遂行の年次計画及び資金に関しては概ね妥当と考えられる。ただ、年次計画中の具体的項目に対する達成度はもう少し明瞭にしておくことが望ましい。

[研究実施体制]
 実施体制の妥当性
本研究計画を現在の実施体制で遂行するためにはかなりの重労働が伴なうと予想される。研究員増や研究項目の重点化等の努力を同時に進める必要があろう。

[期待される効果]
 期待される効果
 成果の反映方法
 関連分野への波及効果
本研究計画の内容は学問的にも社会的にも重要かつ急務であり成果が期待される。特に、雪氷コンソーシアムによる関連分野、特に世界の雪氷災害研究者達への波及効果も期待される。

[その他]


[総合評価]
     ○     :  新規課題として実行すべきである

         B  :  新規課題として一部修正して実行すべきである 

          C  :  新規課題として再検討すべきである

コメント

6. 外部評価委員
            (評価対象課題:雪氷災害の発生予測に関する研究)
  氏   名 所         属
委員長 前 野 紀 一  北海道大学低温科学研究所教授
委 員 力 石 國 男  弘前大学理工学部地球環境学科教授
大 西 崇 夫  建設省東北地方建設局東北技術事務所長
杉 森 正 義  福井県雪対策・建設技術研究所次長
熊 谷  晃  日本地下水開発(株)取締役技師長
     (順不同、敬称略)

7. 委員会プログラム                                                          平成12年 7月18日(火)
10:25〜10:35 所長挨拶 片山所長
10:35〜10:38 委員紹介 矢澤管理部長
10:38〜10:50 外部評価/スケジュール説明 石田総括官
10:50〜11:03 委員内部検討
11:03〜11:55 全体構想・計画「雪氷災害の発生予測に関する研究」 佐藤支所長
11:55〜12:18 サブテーマの説明・質疑応答
11:55〜12:18  (1)降雪分布予測の研究 石坂室長
12:20〜13:00 昼 食
13:00〜14:20 サブテーマの説明・質疑応答(続き)
13:00〜13:27  (2)積雪変質の予測に関する研究 小杉主任研究官
13:27〜13:55  (3)災害発生機構のモデル化に関する研究 佐藤威室長
13:55〜14:20  (4)次世代「雪氷防災実験棟」の技術開発 阿部室長
14:20〜15:00 意見交換、まとめ

以上

 

 

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