令和3年度成果発表会
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2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会関越自動車道の渋滞屋根の一斉雪下ろし図:北海道、山形県、新潟県の雪害事故の種類別件数や積雪深と人的被害や渋滞などの社会的影響の大きい事象との関係等を解析する予定です。また、これらのデータを活かし、状況にあった最適な対応をとれるようなフラットフォームを形成することが必要であると考えます。見られました。また、北陸道や上信越道でも長時間の通行止めとなりました。・雪害データベースから今冬の大雪の特徴防災科研では、2001年度から積雪地域の各道府県の代表的な地方紙より雪氷災害を抽出し整理してきました(雪氷災害データベース)。2020-21年冬期の全国の雪による犠牲者は147名、負傷者は448名、事故件数は730件となっています。2015~2021年冬期の北海道、山形県、新潟県の人的被害のない雪害事故種類別件数を図に示しました。2020-21年冬期の新潟県では、過去7年間でもっとも発生件数が多く、とくに建物等損壊の割合が高くなっています。Point■2020-21年冬期の集中した大雪で高速道路の渋滞発生■海岸平野部でも大雪、社会的影響大■事故の発生件数は16年ぶりの多さ、除雪中の事故多数概要・今冬の大雪災害の概要2020年12月には、新潟県や群馬県の山沿い中心に2、3日で2m以上の集中した降雪があり、関越自動車道で2000台以上の車が滞留し、50時間以上の通行止めとなりました。2021年1月には北陸地方の海岸平野部も含めて場所的、空間的に集中した大雪となりました。山形県、秋田県では山間部で大雪となって、除雪中の事故が多発し雪崩も発生しました。宮城県では東北自動車道で吹雪が原因の事故による長時間通行止めも発生しました。とくに、新潟県上越地方の平野部では、1986年(昭和61年)以来、35年ぶりの大雪となり、社会的に大きな影響が発生しました。2021年1月7日~12日には、上越市の気象庁アメダス高田観測点で1月8日の日降雪量103cm、8~9日の2日間降雪量153cm、11日には最大積雪深249cmを記録しました。また、8日16時には1時間降雪量11cm、14~16時の3時間降雪量26cmの短時間の集中した降雪となりました。海岸部の直江津地区や柿崎地区などでも大雪となり、雪の重みによる家屋や農業用ハウスの倒壊も発生しました。上越市高田の中心市街地では、一斉雪おろしも行われました。消雪パイプの設置されていない狭あい道路では、道路除雪が進まず長期間の通行止めで、車の使えない不自由な生活を余儀なくされたところも多く今後の展望・方向性今冬の大雪災害では長期の渋滞や生活道路の除雪遅延があり、大きな社会的影響を与えました。海岸平野部の状況把握のための雪の観測点が不足していることも改めて認識されました。今後は今冬の大雪被害や対応のデータをさらに収集し、降雪量今冬の大雪災害の事例と特徴-雪氷災害データベース解析-雪氷防災研究部門上石勲

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