令和3年度成果発表会
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•出動する際の判断の支えになった•現場に出た際に、GEORIS educationで学んだ知識の威力を感じたし、同僚ともそのような話になった•過去の自分の知識が、(消防機関としてのドローンの運航に対して)いかに不足していたかを知った•不具合の原因を自分で判断できるようになった•知識がない状態で、空を飛ぶものを飛ばすことの怖さが分かった•オルソ画像に感動した。また、作成実習を通して、学んだ知識が枝葉のようにつながった機関連携を支える屋台骨の整備我が国の防災・災害対策の方向性を定める防災基本計画には、国などがSIP4D(基盤的防災情報流通ネットワーク)に情報を集約するよう努めることが明記された。SIP4Dを活用すれば、複数の機関が作成したオルソ画像を集約することが技術的に容易になる。機関連携に向けたマイルストーンである。2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会災害直後にドローンを飛行させてオルソ画像を作成した事例。防災科研が飛行・作成し、広島市消防局が活用。2.2019年神石高原町の地産地防プロジェクト地元住民の「担い手」が単独で災害状況把握のためにオルソ画像を作成した事例。公開実証実験で実施された。3.2021年11月陸上自衛隊第5旅団の災害対処訓練災害初期対応の実働機関が単独でオルソ画像を作成した事例。計画、撮影、解析、共有までを独力で行った。4.2021年12月緊急消防援助隊近畿ブロック訓練消防機関が単独でオルソ画像を作成した事例。神戸市消防局のドローン運用部隊が独力で実施した。1.災害時という緊迫した危険な状況下で、安全に自信をもってドローンを運航するための知識2.ドローンで得た映像・画像を活用するための、分解能やGIS、オルソ画像の作成といった一連の空間情報技術3.自然災害発生時に迅速かつ的確に情報収集するための着眼点を整理した自然災害の基礎知識マルチハザードリスク評価研究部門内山庄一郎(uchiyama@bosai.go.jp)オルソ画像をめぐる4つの日本初防災科研では、ドローンを活用したオルソ画像の作成において、以下の4事例の日本初の実現を支えてきた。1.2014年8月広島豪雨による土砂災害日本初を支えたGEORIS educationドローンを状況把握技術として活用する人材には、専門スキルが求められる。自動車学校を卒業しても大型ポンプ車による消火活動ができないのと同様に、ドローンスクールには限界がある。この課題に対応するために、防災科研が開発した災害対応におけるドローン活用の教育プログラムGEORIS educationでは、以下の3つの知識を体系化し提供する。Pointドローン写真を使ったオルソ画像の作成は;■現場活動の安全と効率を高める状況把握技術■災害初期対応機関におけるドローン活用の試金石■現場活動の機関連携を促進するCOP(共通状況図)GEORIS educationの効果これまで、釜石消防署、神戸市消防局、神石高原町、陸上自衛隊第5旅団に対し、GEORIS educationの全部、または一部のプログラムを実施した。受講前に、知識水準の基準として一人だけ最終試験を受験し、得点の変化に注目した。その結果、受講後の最終試験の全員の平均点は、受講前に比して180%上昇した。また、以下のアンケートから、このプログラムが、日常の現場活動の支えになっている様子がうかがえる。次の日本初に向けて2014年に初めてドローン撮影写真を使ったオルソ画像が、災害直後の現場で活用された。現在、災害初期対応の実働機関が、単独・独力でオルソ画像を作成できる能力を獲得しつつある。次の日本初は、広い活動現場を複数の実働機関が分担してオルソ画像を作成し、SIP4Dを通じてCOP(共通状況図)を得て、連携して現場活動を展開する訓練の実現である。災害初期対応の機関連携を促進する状況把握技術

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