令和3年度成果発表会
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2022.2.28令和3年度成果発表会※本研究は,SIP第2期「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」においてテーマ1「避難緊急活動支援統合システムの研究開発」の一環として実施している.令和元年東日本台風=同時多発風水害で政府が直面した災害対応の課題発災当初からこの数が分かっていたわけではないこの数が予測できたら・・・もし発災前に研究の領域2021年8月13日の広島県における災害救助法適用相当自治体を法適用の約8時間前に推定した事例「”災害事象の見逃し”、”対応の漏れ・遅れ”を未然に防ぐことはできないのか」私たちはこの課題に対して、災害事象および災害につながる事象の時間的変化・空間的分布を解析する災害動態解析技術により意思決定を支援する情報を提供する仕組み「災害動態意思決定支援システムDDS4D(ディーディーエスフォーディー)」を開発しています。DDS4Dは、現実の世界で観測される自然・社会の情報を逐次デジタルデータとして取り込み、サイバースペース内に災害事象の「デジタルツイン」を構築します。今年度は、このデジタルツインを使って、これまでは災害が発生してからでないと実行できなかった解析を実際のデータにより即時に行うことで、「今洪水が発生したら大きな被害がでる恐れがある地域」「災害対応のための自治体の負荷が過大になる地域」「災害救助法適用相当の被害が予想される地域」などの情報を生成して検証を行い、これらの情報プロダクツが災害対応において有用であることを実証しました。a)どのタイミングでb)見逃しているc)支援の変更が必要になっていないかどの自治体を支援すべきか自治体はないか2021年8月14日の九州地方の豪雨の際に、長野県でも同程度の被害がでる恐れがあることを推定した事例(長野県ではこの後実際に被害発生)a)支援すべき自治体の候補を先読みできるb)全国均一に網羅的・定量的に見逃しなく監視できるc)支援の変更が必要になる地域を自動的に検出できる防災情報研究部門災害動態研究室花島誠人防災システムの現状定量的に答えること以下の問いにができない災害動態意思決定支援システム“DDS4D”が取り組むべき課題と目標DDS4Dの目標左の問いに定量的に答えることができるPOINT■災害を動態事象として把握し解析する災害動態解析技術の研究開発■災害動態解析技術を実装したDDS4Dプロトタイプの開発■実災害データによる意思決定支援情報プロダクツ自動生成技術の実証DDS4Dによる災害動態解析技術の実証

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