令和3年度成果発表会
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2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会情報空白を対応現場で適用実際の災害(令和3年8月の大雨)にて避難所情報の情報空白を対応現場に適用また、訓練や実際の災害にて手法の適用の事例の蓄積・改善を重ね、情報空白域の可視化と定着の手法を用いて、災害対応者の情報空白域の覚知、延いては災害対応の迅速化につなげていきたいと考えている。令和3年8月の大雨では、長野県災害対策本部の職員に対して、各避難所避難者数の避難者数の空白(停滞状況・変化状況)を地図に可視化し提供した(図)。その結果、担当者が避難所避難者数が停滞している場所・市町村を覚知することができ、結果として、市町村に直接確認する行動につながった。このことから、情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、情報空白の可能性がある情報を用いて、行動に移すきっかけを作ることが重要であると考えられる。防災情報研究部門吉森和城概要本研究は、都道府県の災害対応を対象として、都道府県が収集する情報から情報の空白域を可視化する研究である。災害発生時、市町村、都道府県、府省庁、指定公共機関などの様々な災害対応機関が活動する。都道府県の災害対応では、都道府県下の市町村の災害対応を支援することも重要な対応の一つである。都道府県が各市町村の支援を行うためには、市町村の状況を俯瞰的に把握し対応につなげていくことが肝要である。しかし、実際の災害では、人手不足など何らかの事情で都道府県に情報が共有できない市町村が発生する。この状況に陥るとは都道府県においては、その市町村の情報がない状態、すなわち情報の空白状態となる。また、情報が共有されても、情報の更新が停滞し情報が古くなる場合もある、この状態も情報空白の状態である。この情報空白の状況下では、県は市町村の状況を把握することができず、対応の遅れ等につながる可能性がある。一方で、情報空白であることを対応者が覚知できれば、市町村に直接確認するなどの手段を講ずることができる。そこで、本研究では情報空白を可視化し、災害対応者に情報空白であることを提示する手法を検討し、その検討結果を踏まえ、訓練・災害対応現場に実際に適用し、対応者にどのような影響を及ぼすかを検討している。今後の展望・方向性現段階では、空白域の可視化手法は手作業による可視化である。対応者に迅速に空白域を届けるためには、手作業によらない手法で空白域を可視化を目指したい。Point■災害対応では情報の空白域が発生する■情報の空白域を可視化し、情報空白域を覚知する■情報空白域可視化の適用と実災害での活用災害情報の空白域の可視化と活用

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