令和3年度成果発表会
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•ケーススタディとして、はじめに、中小企業が警戒する災害に挙げる地震を対象に、災害時に企業が被る事業中断のベースラインリスクについて数値化を行います。•次に、災害時に組合企業間で代替生産等ができる中小企業間連携スキームの導入によるリスク軽減効果について定量的な評価を行います。•さらに、他の戦略の導入効果との比較を通じて、当該連携ス2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会本研究のフレームワーク業間連携スキームの導入による保険料との比較を通じたリスク軽減効果の評価を行います。評価手法の実装:中小企業が事業継続戦略の導入に関し効果的に意思決定できるよう支援するため、中小企業間連携や他の戦略の導入効果についてシミュレーションできる評価ツールの構築をめざします。キームの導入可能性について検討を行います。防災情報研究部門/ 災害過程研究部門千葉洋平概要災害時の事業継続に向けてリスクへの事前対応の重要性が増す一方で、中小企業による事業継続計画(BCP)の策定率は約2割と依然として低い水準です(中小企業白書,2021)。BCP策定に必要なスキル・ノウハウや人材の不足、BCPによる効果の不明確さ、また、リスク想定の難しさ等が大きな障壁となっており、課題解決に向けた支援が必要です。さらに、中小企業の災害対応力を高めるため2019年に設立された「事業継続力強化計画」認定制度を受けて、中小企業は、BCPの簡易版として当該計画の策定を進める一方で、自社対応に関する単独型計画の策定が中心です。しかし、自社のみでは不測事態への対応に限界があるため、資源融通・代替生産・情報共有等を通じて相互支援し合える企業間、サプライチェーン間、また、地域間における連携の導入について検討が必要です。そこで本研究は、中小企業の事業継続力向上に向けて、事業継続戦略の導入効果を定量的に評価できる手法の構築と実装をめざします。今後の展望・方向性ベースラインリスクの数値化:中小企業に対するヒアリング・アンケート調査を通じた、地震によって事業中断を引き起こす設備・施設被害、従業員被害、インフラ被害等の影響要因に基づく事業中断損失額の推計とリスクカーブの構築を行います。リスク軽減効果の評価:中小企業が被る事業中断リスクを可視化するために、リスクカーブから理論保険料を推計し、中小企Point■中小企業間連携スキーム導入効果の解明■事業中断損失額の推計■理論保険料に基づくリスク軽減効果の評価中小企業の事業継続戦略の導入効果

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