令和3年度成果発表会
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2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会災害過程研究部門大塚理加これまで、災害時のジェンダーをめぐる問題は、多数指摘されている。避難所は女性にとっての十分な配慮がされているとはいえず、暗い中の仮設トイレに危険を感じたり、下着の洗濯での不自由があったり、授乳場所がない等が報告されている。これらの課題はなぜ解決できないのか?今回は65歳以上の自立高齢者に災害対策について尋ねている2019年度のJAGES調査から得られた知見を報告する。性別での災害対策の状況をみるために年齢、経済状況、教育歴、居住状況、日常生活機能等の影響を統制して、ロジスティック回帰分析を行った。その結果、災害についての地域の話合いに参加する男性と比べ、女性は約6割であった。さらに避難場所と経路の把握をしている女性は、男性に比べると約8割となっていた。地域のリーダーは男性でありことが多く、多くの地域で防災対策の中心となっているのは男性である。災害対応に女性の視点をいれるためには、平時からの災害対策に女性が参加していくことが重要である。平時の延長上に災害は起こる。そして、平時にできていないことは災害時にはできない。平時から地域の災害対策について、女性も一緒に考えることで、災害時の対応に女性の視点を反映することができると考えられる。動画概要災害対策とジェンダー

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