令和3年度成果発表会
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2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会水・土砂防災研究部門栃本英伍私は、極端気象を引き起こす温帯低気圧の研究を行っております。極端現象は、寒冷前線や温暖前線、また寒冷前線と温暖前線に挟まれた暖域と呼ばれる場所で発生しやすいことが知られています。一方、全ての低気圧が極端現象を起こすわけではありません。低気圧といっても、一つ一つ異なる特徴を持っていて、同じ物はありません。私は、極端現象を起こす低気圧がどのような構造を持っているのか?という疑問を明らかにする研究を行っています。主に数値シミュレーションと統計的なデータ解析を行っています。ここでは、ある事例解析から得られた結果をご紹介します。ここで調べた事例は2013年4月6日に東海~関東で発生した大雨の事例です。低気圧の中心が日本海にあり、寒冷前線、温暖前線が南西方向と南東方向に伸びています。この数値シミュレーションから、海上の暖かくて湿った空気と陸上の冷たくて乾いた空気の間で前線が強まり、大雨が強化していたことがわかりました。また、上空からの冷たくて乾いた空気の流入が見られており、大気の不安定を強化することで雨を強めていたことが示唆されました。今後は、・極端気象を起こす低気圧と起こさない低気圧はどのように異なるのか?・極端気象を起こす低気圧は何故生じるのか?・極端気象を起こす低気圧に、地球温暖化などの気候変動は影響しているのか?などの点を明らかにしていきたいと考えております。動画概要極端気象を起こす温帯低気圧の構造を探る

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