令和3年度成果発表会
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2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会水・土砂防災研究部門前坂剛近年,XバンドMPレーダーなどの気象レーダーの整備が進み,高精度な降雨強度推定が可能になりました。そして,豪雨や竜巻といった極端気象が発生する前から,その危険性を把握したいというニーズが高まっています。極端気象は発達した積乱雲から発生しますが,雨ができる前の雲である「積雲」の観測は,通常の気象レーダーではできません。それは,積乱雲の中の雨粒の大きさは直径2ミリメートル程度ですが,雨粒になる前の雲粒の直径は数十マイクロメートル程度と,はるかに小さいからです。そこで,防災科研ではKaバンドと呼ばれる短い波長の電波を使用し,また,送信電力の高いEIKを用いたパルス圧縮処理等を行うことで雲の観測を可能にした「雲レーダー」を開発しました。雲レーダーの観測結果はウェブページ・雲レーダー観測による積雲分布(東京周辺):https://cloud-radar.bosai.go.jpにてリアルタイム公開しています(夏季のみ)。このページでは地図上に雲レーダーで観測された雲の分布が表示され,また,国土交通省XRAINで観測された雨の分布も重ねて表示されます。さらに,発達した積雲には青丸や赤丸が表示され,赤丸はもうすぐ雨が降りそうな雲であることを示します。雲レーダーについての詳しい説明はウェブページをご覧ください。動画概要雨が降る前の雲をつかむような話

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