令和3年度成果発表会
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]℃[erutarepmeT ssenthgirB2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会旋回半径:1000m,対地高度:1000m旋回半径:1000m,対地高度:1000m図1.箱根山(大涌谷)の3次元可視画像(a)と3次元輝度温度画像(b)。2021/4/26 10:00、観測パス/高度: 大涌谷を中心とした半径1kmの円周状パス海抜2km、空間分解能: 可視画像、約16cm、輝度温度画像、約1.0m、最高輝度温度52℃、NETD: 0.02K、補正処理: 斜め観測画像のSfM/MVS処理。大気未補正。Textured SurfaceTextured Surface対象範囲の直上の飛行は実施できない制限があるが、STIC-Pを活用することで、噴火警戒レベルの対象範囲上空に入らずに火山の斜め上空の飛行可能空域から、従来の航空機による火山直下視観測と同様な情報を取得できることが期待される。今後、STIC-Pによる火山の試験観測を継続するとともに、本手法の普及を目指す。(a)(b)火山防災研究部門實渕哲也概要防災科研では、火山観測用途の航空機搭載型リモートセンシング装置の開発研究と活用を1988年より実施している。現在までに、1990年に火山専用空中赤外映像装置:VAM-90A、2006年に航空機搭載型ハイパースペクトルセンサ:ARTS、2015年にARTS-SEを開発した。ARTS-SEの開発では、航空機搭載型のカメラ型センサ:Structure and Thermal Information Capture(STIC)を開発した。これらの成果をもとに、我々はSTICの機能を手持ち型の装置として実現する新規装置の開発を計画し、2020年3月に、空撮で使用可能な手持ち型赤外カメラシステム:STIC-Portable (STIC-P)を開発した。STIC-Pは1つの赤外カメラと2つの可視カメラで構成される。STIC-Pは、地上での観測とヘリコプター搭載による上空からの斜め観測を実現できる。我々は、STIC-Pの性能評価のための試験観測として、STIC-Pによるヘリコプターからの火山試験観測(箱根山大涌谷の斜め上空からの観測)を実施した(図1.(a)、(b))。この結果、STIC-PのデータのSfM/MVS処理により、地形の3次元情報の推定、地図への投影、地熱分布解析等が可能であることが分った。今後の展望・方向性STIC-Pの斜め観測情報と、従来のARTS-SEの直下視観測情報を比較した結果、両者は面的に詳細な比較が可能であった。すなわち、STIC-Pは噴火警戒レベルの対象範囲の斜め上空の空域から、従来の航空機による火山直下視観測と同様の、高空間分解能の面的情報を取得する観測を実現できる。火山の航空機観測は、2016年ごろから、噴火警戒レベルのPoint■空撮用可搬型赤外カメラシステム(STIC-P)を新規開発■航空機を用いる光学リモートセンシング手法の観測コストを低減■火山の地表面温度分布の観測頻度向上に寄与空撮用可搬型赤外カメラシステム

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