令和3年度成果発表会
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2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会吾妻山における衛星レーダの解析結果(左半分) と可搬型レーダ干渉計[車載型・レール型](右半分)火山防災研究部門姫松裕志概要今後の展望・方向性活動的火山における地殻変動は,地下内部の圧力環境の変化に駆動されて生じる.地殻変動観測の高度化は活動度が高まった際の推移予測や活動様式の理解につながる.レーダを用いた地殻変動観測は,遠隔から面的に地殻変動の描像を明らかにすることができ,天候や昼夜を問わずに観測が可能であるため,GNSSをはじめとする現場観測や光学衛星による観測と比較して優れている.当研究課題ではレーダを用いた地殻変動観測と数値計算による再現実験の高度化を通して,活動的な火山で観測される地殻変動の駆動メカニズムを追求し,ひいては防災・減災に向けた火山噴火の準備過程と噴火活動の推移に関する予測・情報力の強化を目指している.目的達成に向けて,主に以下3点のサブテーマを設定している.①衛星レーダによる地殻変動観測の高度化.②数値計算による地殻変動計算の高度化.③地殻変動機動観測のための可搬型レーダ干渉計の開発.衛星レーダによる地殻変動観測は,時系列解析を適用することにより,長期にわたって継続して生じる地殻変動の描像を明らかにする.他項目の火山観測データとの照合により,多角的視点から火山活当研究課題は火山活動に関する研究の枠組みの中で,レーダ技術を用いた地殻変動観測と数値計算による再現実験の高度化を通して,噴火準備過程と噴火推移の予測・情報力の向上を目指している.引き続き衛星レーダによる地殻変動観測の解析をすすめ,火山活動評価に資する情報としての有効性・有意性を示していく.来年度以降は,世界の各宇宙機関が相次いでレーダ衛星の打上げを計画している.これまで以上の観測動の駆動メカニズムを追求する.メカニズム(例えば水蒸気噴火の駆動源幾何や体積変化量)を追究するために有限要素法を用いた構造解析を行う.にレーダを用いた地殻変動観測を実現することを目指している.衛星レーダの解析結果をもとに,数値シミュレーションにより可搬型レーダ干渉計で検出し得る地殻変動の描像を明らかにする.実用化に向けた性能評価のためのテスト観測の対象火山を増やし,観測実績を蓄積している.データの増加が見込まれることから,衛星レーダによる地殻変動観測の高精度化も期待できる.数値計算による地殻変動計算については,地形の効果や地殻内部の不均質構造を考慮した再現実験の高度化をすすめ,観測結果の再現を通した地殻変動の駆動メカニズムを追究する.可搬型レーダ干渉計の開発は,機動的に地殻変動を観測する手法として確立するためのテスト観測と精度評価を継続して行う.数値計算による地殻変動の再現は,観測された地殻変動の駆動可搬型レーダ干渉計の開発は,火山活動が高まった際に機動的Point■衛星レーダによる地殻変動観測の高度化■数値計算による火山性地殻変動の再現■地殻変動機動観測のための可搬型レーダ干渉計の開発レーダーではかる火山性地殻変動

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