令和3年度成果発表会
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2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会図1長野県岡谷市周辺(令和3年8月13~15日の土砂災害)図4長崎県雲仙市周辺(令和3年8月11~13日の土砂災害)図5静岡県熱海市周辺(令和3年7月3日の土砂災害)図2長野県茅野市周辺(令和3年9月5~6日の土砂災害)図3広島県広島市周辺(令和3年8月11~15日の土砂災害)図6佐賀県東部(令和3年8月11~19日の土砂災害)図7青森県下北半島(令和3年8月9~10日の土砂災害)近年、斜面崩壊や土石流などの斜面変動による土砂災害が広域的に発生するケースが増えており、災害後の応急復旧や救助活動などのために斜面変動範囲を広域かつ早期に把握することが不可欠です。斜面変動範囲の把握には、目視確認が可能で、作業効率の面でも優れる光学衛星画像の活用が依然として有効と考えられ、抽出手法の開発が求められています。我々は大雨前後の光学衛星画像を使用し、NDVI(正規化植生指数)の差分値を計算することで、斜面変動範囲を広域的に抽出する手法を研究しています。今年度は令和3年7月~9月の大雨で被災した7つの地域を対象に、大雨前後のSentinel-2衛星画像(欧州宇宙機関、分解能:10m)を使用し、斜面変動範囲の抽出を試みました。図1~図7は、今年度に抽出し公開した斜面変動範囲図です。これらは、NDVI差分値に閾値を設定し、斜面勾配10°未満または面積1,000m2以下の範囲と雲の範囲を除去することにより作成されています。いくつかの地域の現地を確認したところ、面積の大きな斜面変動は発生源の場所や外縁形状をほぼ抽出できていることがわかってきました。一方で、小さな斜面変動を抽出できていない課題があることもわかってきました。今後は、空間分解能1m未満の高精細な光学衛星画像を使用して抽出を行い、目視判読による抽出結果との比較などの検討を進めて、抽出精度の向上を目指す予定です。これまで作成した斜面変動範囲図は、水・土砂防災研究部門HP(https://mizu.bosai.go.jp)と防災クロスビューに掲載しています。光学衛星画像を用いた斜面変動範囲の抽出水・土砂防災研究部門秋田寛己■大雨前後の光学衛星画像を用いた、斜面崩壊や土石流の発生場所の広域かつ早期の把握

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