令和3年度成果発表会
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率失損)%(2量徴特値答応応答曲面作成応答値集計損傷C2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会損傷B損傷A特徴量1多数の入力に対する出力データを集計する100805010020040060080010001200地震動規模(Gal)ハイブリッド解析による応答補正と地震応答算出詳細地震応答と損傷値詳細モデル補間部分簡易モデル地震特徴量応答の補正詳細地震動予測図1: ハイブリッド解析による建物地震応答の導出と建物のリスク評価応答曲面を用いた建物損傷値の算出地震特徴量入力応答曲面建物損傷値出力損傷値の確率密度関数から損失評価損傷値確率密度分布地震損失損傷値確率密度分布頻度損失評価応答値長く,数千ケースの計算を行う必要のあるリスク評価では,詳細モデルで全ケースを計算することは非現実的です.そこで,建物をバネと質点に置き換えた簡易モデルを用い計算時間を短縮することを考えました.ただし,簡易モデルは計算精度が悪いため,詳細モデルによる計算もいくつか行い,両者の比較結果を基に簡易モデルの計算結果を補正して,計算速度と計算精度が程よく向上するようなハイブリッドなシステムを考案しました.また,個別の建物の評価から建物群の評価へと拡張する場合,地震応答解析を逐一行うことは,計算負荷が大きく非現実的であると予想されます.そこで,地震動の特徴を表す情報(特徴量)を入力すると建物の応答値や損傷の発生が簡単に求められるように,詳細モデルと簡易モデルによって地震応答を求め,地震動と応答の関係を機械学習によって学習し,応答がどのように分布するか表す関数(応答曲面)を導く手法を検討が今後必要になると考えています.:地震動シミュレーションおよびハイブリッド地震応答解析の組合せによる確率論的フラジリティ検討地震減災実験研究部門小嶋淳概要大地震で引き起こされる建物の倒壊による人的・経済的損失を軽減することは重要なことです.そのためには,地震による建物のリスク評価を正確に行う必要が有ります.本研究では,①: ある地域に存在する一つの建物の地震に対する倒壊リスク評価の手法を確立し,②: 都市の建物群への拡張を行い,③: 様々な地域の地震特性を考慮に入れて日本全国の建物群のリスク評価を正確に行えるようにすることを目的としています.令和3年度は,①の一つの建物の地震に対するリスク評価を確立するために,発生する地震(地震動)に対する建物の振動や変形(地震応答)を効率的,且つ,正確に求める手法を検討してきました.建物の地震応答を求めるために,震源モデルと地盤構造を詳細にモデル化したシミュレーションシステム(Ground Motion Simulator:GMS),建物の部品形状や材料特性を忠実に再現した三次元詳細モデルによるシミュレーションシステム(数値震動台)を利用しています.GMSと数値震動台を用いて正確な地震応答を求めることが可能ですが,1ケースの計算時間が今後の展望・方向性考案したハイブリッド解析による応答補正と地震応答算出のシステムを構築し,その評価を行います.また,簡易モデルのモデル化に起因する誤差を小さくするために,詳細モデルによる地震応答計算結果を使った機械学習により,簡易モデルを最適なものに改良する手法を検討します.簡易モデルは建物の地震応答と損傷の関係がはっきりしないデメリットがあるため,詳細モデルとの比較などで損傷の状態を評価する手法を検討することが今後必要になると考えています.Point■建物の地震リスク評価の高精度化■数値振動台を活用した高精度な数値シミュレーションによる予測■部門間の連携によるシミュレーション技術の融合詳細解析による地震時建物リスク評価

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