令和3年度成果発表会
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𝒀𝒀𝑖𝑖=𝑋𝑋1𝑖𝑖,𝑋𝑋2𝑖𝑖,𝑋𝑋3𝑖𝑖⋯𝑋𝑋1𝑋𝑋2𝑋𝑋3…&……2022.2.28令和3年度成果発表会入力条件に反映させる必要があります。入力条件の分布を出力に反映させるためには多数の計算が必要ですが、モデル計算には時間がかかります。本研究では効率の良い計算手法を確立することで様々な場所でハザードマップを作成することを目指しています(下図)。今後の展望・方向性「どこにどの程度の量到達するか」を予測するためには、「雪崩がどこで発生するか」を予測する必要があります。これは本研究の前提条件に相当し、このような研究開発も進められています。また、入力条件の持つ不確定性の分布形状の推定も重要で、観測によって明らかにしていかなければなりません。これらの情報を組み込んだ「いつどこで発生しそうな雪崩は、どこにどれくらい到達しするか」を示すリアルタイムのハザードマップ作成を目指します。そして確立したハザードマップ作成手法を異なるハザードに対しても適応できる枠組みの作成を行っていきます。入力の不確定性(分布)を考慮したハザードマップ作成の概念図。Inputのparameterは例えば発生体積や密度、雪の摩擦特性を表し、Outputはそこに到達しうる最大の雪崩厚さを表す。その結果得られるハザードマップは「ある高さ以上の雪崩が到達する確率」を地図上に可視化する。parameter 1parameter 2parameter 3Simulator 𝑼𝑼(Model)Parametersetting雪氷防災研究部門田邊章洋Point■「雪崩がどこにどれくらい到達するか?」を確率論的に表すハザードマップ作成手法を考察■効率よく計算するための手法の確立を目指す概要雪崩が発生したときに、どこにどの程度の量到達するか?という情報はハザードマップ作成につながるなど防災上非常に重要です。このような情報を創出するためには、例えば同じ場所で起こる雪崩を何度も観測するという方法が考えられますが、都合よく雪崩は起きませんし、起きた雪崩がいつも安全に観測できるとは限りません。そこで、雪崩を再現する数値モデルを実際の雪崩の代わりにして、計算で各場所に到達した堆積物の量を調べるという手法が考えられています。雪崩再現計算のためには、雪崩の発生規模やその特性(例えば雪が乾いている/湿っている等)を考える必要がありますが、発生規模やどういう雪崩かという情報は雪崩発生以前には未知で知るすべがありません。このような状況下で雪崩の到達距離の定量的な予測を行うためには、発生体積や雪の性質などの未知の情報を不確定性として分布で表現し、その分布を雪崩モデルのInputOutputHazard map雪崩ハザードマップの効率的な作成手法𝑼𝑼(𝒀𝒀1)𝑼𝑼(𝒀𝒀2)𝑼𝑼(𝒀𝒀𝟑𝟑)

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