令和3年度成果発表会
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2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会複数台で運用するスマホAI路面判定システムを用いた高速道路での実証実験イメージ車上からスマートフォン等で撮影した路面画像を用いて、目視判別により、「乾燥」、「濡れ」、「水たまり」、「冠水」、「湿雪」、「圧雪」、「凍結」等、道路管理に合わせた分類を行った教師データを作成した。作成した教師データを用いて、AI技術を用いた路面状態の自動判別モデルを構築した。スマートフォンで連続的に撮影した画像と構築したAI路面判定モデルを利用して、道路管理で求められるより正確かつ連続的な線状のAI路面判定や、地図上の空間的な路面状態の把握をリアルタイムで実現する実証システムを開発した。さらに、メッシュ気象情報を用いてAI路面判定結果を補正し、判定のエラーを低下させ、AIモデルの判定精度向上を実現した(特許出願中)。車上のカメラから路面の積雪や冠水の状況をいち早く検知することができれば、迅速な対応が可能となり、被害の大幅な軽減が可能となる。そのような観点から、路面状態の推定に画像を用いた深層学習を利用する研究を紹介した。結果は、おおむね良好であり、現在、道路管理の運用上の課題の抽出と対策、データの拡張等、実用化に向けた検討を進めている。雪氷防災研究部門/首都圏レジリエンス研究推進センター中村一樹概要降雪や凍結、あるいは豪雨による道路冠水等が原因で、よりリスクの高い箇所から立ち往生車両が発生し、それを起点として、車両の滞留が発生することが多い。また、一旦滞留が発生すると、その後の除排雪や排水、立ち往生車両の排出を妨げることから、解消が困難となり通行止めが長期する。さらに、迂回路等の情報共有やドライバー支援が不十分であると、事態が深刻化することも課題となっている。したがって、早めの凍結防止剤散布や除排雪、排水作業、交通規制、あるいは車両側におけるタイヤ交換やチェーン装着の実施等によって、立ち往生車両を発生させないことが、滞留防止対策の基本となる。それには、路面の積雪状態や凍結状態、冠水状態をいち早く検知することが重要である。現在、気象予測の活用やパトロール等による現場の確認が行われているが、局所的な気象変化や集中的な豪雨、豪雪などを、迅速に隈なく把握することは極めて困難である。そこで、車上のカメラ画像から路面状態の評価を行うことができれば、迅速かつ広い領域での把握ができると考え、深層学習を利用して、路面状態を分類して評価する技術の研究を行った。今後の展望・方向性スマートフォン複数台から取得した即時に画像クラウドに転送して路面判定可能なAI処理システムを開発した。現在、道路管理に則した連続判定実現のため、首都高において複数台(10台程度)の画像取得から判定までを一括処理する実証実験を実施中である。スマートフォンによるシステムを用いることで、セキュリティ管理が容易で、コスト的に有利なパッケージ化を実現した。Point■複数台で運用するスマホAI路面判定処理システムの開発■気象等のメッシュデータをマッシュアップしてAI路面判定精度向上■高速道路での実証実験を通じた技術及び運用上の課題解決スマホAI路面判定システムの構築

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