令和3年度成果発表会
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2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会上:モデルの概要,下:モデルを用いた除雪ルートの再現例(白丸:除雪車実測値,黒線:モデル結果)モデルの精度検証を実施します。加えて、モデルを用いて回送距離が長い除雪経路を抽出し、ルートの再検討を行う他、複数の除雪経路同士を結ぶことで除雪車の出動数を減らすなど、モデルを用いた現在の除雪計画ルートの評価及び再検討等に着手する予定です。雪氷防災研究部門砂子宗次朗概要国土の約半分を占める雪国において、冬期における道路交通機能の確保は地域住民の日常生活や物流確保の観点から極めて重要な課題です。近年、短時間の集中降雪に伴う除雪費用増加が地方自治体の財政を圧迫しています(除雪費用は時間単価で発生する)。また、除雪作業請負業者や除雪機械オペレータ数は全国的に減少しており、効率的な除雪作業を考慮した冬期道路管理が求められています。そこで雪氷防災研究部門では、降積雪分布や除雪経路等の各情報をGIS (地理空間情報システム) 上に集約することで、路面の積雪状況に応じた除雪車の最適ルートを決定するモデル開発に取り組んでいます。最適除雪ルートモデルはGISソフト(ArcGIS Pro) 上に構築されており、道路網データ、除雪経路及び降積雪深分布を入力値としています。日々変化する降積雪分布を考慮することで、経路上の堆雪量に応じた除雪車移動速度を求め、対象領域を最速で除雪するルートや除雪時間情報などを出力します。モデル検証の初期段階として計算された除雪時間が整合的かを確認するため、実際の除雪経路を対象にモデル内にて経路を走行する際の通行時間を算出し、実測の除雪車稼働時間との比較を行ったところ、誤差数分以内で一致しました。今後の展望・方向性除雪車の速度を決定する要因は、降積雪以外にも例えば対象除雪経路の路面状態や交差点情報など多岐に渡ります。また、自治体によって大雪時に優先的に除雪を実施する経路が定められています。今後は最適除雪ルート算出に向けてこれらの要素を考慮しモデルの改良を進めるとともに、様々な地域を対象にPoint■GISを用いた最適除雪ルート算出モデルの開発■除雪車実測値を用いた比較・検証■除雪計画の評価・再検討を行うためモデルの高度化を進める除雪ルートの最適化に向けた取り組み

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