令和3年度成果発表会
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2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会50年超過確率39%50年超過確率10%50年超過確率5%50年超過確率2%図1:応答スペクトルの地震動ハザード評価試算例(東京都庁図2:工学的基盤上の最大加速度の地図位置での工学的基盤上の一様ハザードスペクトル)MF13ZZ16られていない範囲の地震動予測モデルの高度化のため、統一の震動データベースに基づいて、機械学習も含めて複数の考え方、モデル化手法による地震動予測モデル構築の取り組みを進めています。一方で、海外の地震動ハザード評価では、揺れの指標として最大加速度が多く採用されています。そこで、。地震動予測式はMorikawaandFujiwara(2013)を、地震活動モデルは全国地震動予測地図2020年版のものを用いて工学的基盤上の最大加速度の地図を作成しました(図2)。これにより、海外の地震動ハザード評価結果と直接比較することができるようになります。評価と評価手法の国際展開や標準化にもつながる。観測記録による検証が現状ではきわめて困難な断層ごく近傍や超巨大地震に対する地震動予測式(モデル)の特徴や性能を評価するための指標を開発し、経験・知見が不足している低頻度地震に対するハザード評価結果の信頼性および説明性を高めていくことで地震リスク評価の高精度化にもつなげていく。マルチハザードリスク評価研究部門森川信之・藤原広行・前田宜浩・岩城麻子・河合伸一概要地震調査研究推進本部から20201年3月に公表された全国地震動予測地図2020年版では、長期評価や津波評価の反映、震源断層を予め特定しにくい地震の地震活動モデルの改良に加え、浅部地盤構造モデルが改良されました。地震動予測地図では、揺れの指標として、震度または最大速度が用いられていますが、地震動ハザード評価の工学分野でのさらなる活用や被害推定の高精度化のため、地震動の周期特性を考慮した応答スペクトルの地震動ハザード評価が必要とされてきています。そのような要望に応えるため、全国地震動予測地図2020年版の地震活動モデルに基づく応答スペクトルのハザード評価の試算を行いました。地震動予測式として、我々が提案している地震動予測式(MorikawaandFujiwara,2013;MF13)に加え、2011年東北地方太平洋沖地震の記録も用いて提案されているZhaoetal.(2016;ZZ16)の二つを用いました(図1)。しかしながら、両者の評価結果には大きな違いが見られました。これは、観測記録がほとんど得られていない、震源断層のごく近傍やマグニチュード8超の巨大地震を対象とした地震動予測式の違いが影響しています。このようなデータが得今後の展望・方向性一様ハザードスペクトルのような確率論的な地震動ハザード評価結果の活用を進めるためには、実際に備えるべき具体的な地震は何かを知ることが重要となる。そのような地震の抽出方法の検討を進める。最大加速度の地図は、単に海外の地震動ハザード評価結果との比較ができるようになるだけでなく、日本の地震動ハザード評Point■地震動予測地図の利活用を拡げる応答スペクトル評価■最大加速度の地図の作成による国際展開■地震動予測モデルの高度化に向けて地震動ハザード評価の高度化

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