令和3年度成果発表会
87/158

2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会災害対応機関間の情報共有を進めるため、令和元年度に内閣府と防災科研によってISUTの運用が開始された。ISUTが各機関より集約した情報は、行政機関や指定公共機関が閲覧可能なISUT-SITE等を通じて、別の機関の災害対応に活用するなどされ、状況認識の統一に一定程度寄与したと考えられる。一方、集約される情報は、情報提供元の自治体などの違いにより毎回質や内容が異なり、ISUTで共有できるスピードや掲載項目などが異なっている状況である。Point■災害時にISUTとして地図化による情報集約支援活動を実践。■災害時に集約する情報は各災害で一定程度共通しているものの、質や内容が都度異なり、集約スピードや掲載項目が異なっていた。■災害時に共通に集約する項目を規定することが、対応迅速化に寄与すると考えられる。背景救助、避難所支援、道路啓開、インフラ復旧、物資供給、ボランティア活動など、機関・団体間で活動を効率よく的確に行うためには、その災害に関する状況認識を統一し、協力して活動することが望ましい。しかしながら、情報は各機関内に留まってしまうことが多く、情報の共有は難しい状況である。災害時情報集約項目の標準化に向けて米国の事例では、全米情報共有化協会(NISC)において、災害時等の緊急対応の際に共有するべき情報の基本要素(EEI:Essential Elements of Information)を定義している。16 項目の地理情報について、データ表現方法(面・線・点等)、取得の目安時間、データの所有者、情報の受け渡し方法を定義し、情報取得が図られている。ISUTによる災害時情報集約支援でも、この考え方を援用し、これまでのISUTの情報集約実績や各機関の災害対応プロセスを踏まえつつ、どの災害でも共通して集約する項目の規定を検討している。これにより、今までは災害毎に異なっていた集約する情報項目の内容や質を一定化する基準を設けることができる。情報提供元にその基準に沿った情報提供を平時から依頼することで、一定の質およびスピードで情報集約を行う体制を構築することができるようになる。今後の展望・方向性現在、内閣府、デジタル庁を交えて、災害時情報集約項目の検討を進めている。項目案完成の後、情報提供元とも調整を行い、ISUTやSIP4Dを介して、共通して必要となる災害情報が迅速に共有できる体制構築を進める。災害時情報集約項目の標準化の検討-ISUT(災害時情報集約支援チーム)での実践を踏まえて-防災情報研究部門佐藤良太

元のページ  ../index.html#87

このブックを見る