令和3年度成果発表会
97/158

2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2022.2.28令和3年度成果発表会開発中の登山者データ可視化ツール。登山者データをブラウザ上で他の地図情報と重ねて表示することができる。簡易的な曝露評価も可能。2017年以降富士山、御嶽山、那須岳において登山者動向把握実験を実施し、取得された登山者データの防災利用について検討を進めて来た。ここでは取得した登山者データの、火山周辺自治体や防災機関による防災利用として、大きく分けて①噴火発生時の利用と②平時の防災利用、の2つのフェーズを考える。①噴火発生時の利用噴火発生時を想定した登山者の動向(おおよその数と大まかな位置)把握に必要な時間を調査した結果2時間で全体のおよそ80%の動向を把握することができた。2014年御嶽山噴火災害時に数日を要したことと比べると、大幅に時間を短縮することができるということが分かった。また、登山者の動向に関する情報を関係者間で共有するための、登山者データ可視化ツールを開発した(右図参照)。このツールは地図上でハザードに対する登山者の曝露評価を行うことができ、簡易的な被害推定が可能となった。各火山周辺自治体や火山防災協議会と、開発中の可視化ツールを使って登山者データを共有し、登山者データの事前防災への利用について提案する。なお、可視化ツールについては実際に使ってもらった感想を基に修正を加えるなど、今後利用者と協力して開発を進めていき、将来的には無償で提供する。今後の避難計画等の改訂に際し参照してもらう。他の火山、もしくは異なる条件下(季節、ルート等)における登山者データの取得を目指し、同様の展開(結果の共有と防災利用の提案)を目指す。他の主体(例えば、登山者、住民、企業等)への情報提供を検討する。②平時の利用噴火災害が低頻度であることを考えると、平時における事前防災にいかに役立てられるかが重要である。ここでは平時の利用として、登山者データを訓練シナリオに盛り込むことと、避難計画や地域防災計画の策定(改訂)にあたり参考にしてもらうこと、の2点を自治体や防災機関に提案した。取得された登山者データを取り入れた訓練を実施し、火山防災研究部門宮城洋介概要今後の展望・方向性Point■富士山、御嶽山、那須岳で取得した登山者データの防災利用■火山防災協議会を対象とした防災訓練登山者データの防災利用

元のページ  ../index.html#97

このブックを見る