令和4年度成果発表会
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b値:地震の規模(マグニチュード)別発生頻度を表す指標Z値:地震の活動度の変化(静穏化の有無)を示す指標震活動度指標(Z値)の空間分布。右)ある地点における地震の規模別頻度分布(b値)及びZ値の時間変化。この例では、該2019.○○.○○○○○○○○○○○○○地震活動時間変化地震活動解析:Z地震活動解析:Z地震活動解析:ZM≥2.0深さ:30~50kmM≥2.0 深さ:30~50km日向灘周辺の年別震源分布毎年、同じような場所で地震が起きている。ぱっと見、違いが分からない…2023.2.21令和4年度成果発表会32.724°N / 132.058°E周辺の地震活動変化実データの暫定解析結果から、地震活動の変化を可視化した場合のイメージ。左)年別の震源分布。中)過去1年ごとの地当地点の海洋プレート内で発生した地震活動に限定し、指標の時間変化を示した。タラクティブに確認するためのシステムの構築を行います。このようなシステムの活用を通じて普段の地震活動の特徴を把握することで、「通常と異なる地震活動」の検知に繋げることを目指します。調整並びに指標の時空間的変化をより明確に見せるための可視化技術の開発を進めています。一例として、日向灘周辺での地震活動度の変化を下図に示しました。左側に示したように震源分布からその違いを説明することは困難ですが、最近1年間の地震活動変化の特徴を表した中央の地図から、地震が活動的だったところ(暖色系)と低調だったところ(寒色系)が複雑に分布している様子が分かります。また、右のグラフに示すように、指定場所での指標の時間変化も調べます。長期カタログにより、普段のデータのばらつき度を把握しておくことは、現在進行形で発生している地震活動がどの程度「通常と異なる」のかを判別するための基礎データとなります。Point■南海トラフ周辺を対象とした高精度自動震源決定システムを構築■過去データの再解析により、高精度震源カタログを整備予定■地震活動の時空間変化の視覚的な表現方法を検討中概要南海トラフ沿いの巨大地震の震源となる海陸のプレート境界では、普段ほとんど地震が発生していませんが、大地震の発生が近づき、両プレートの固着が剥がれ始めると、周辺で発生する地震活動の特徴(頻度や規模)が変化する可能性があります。文部科学省「防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト」では、南海トラフの地震活動の現状を迅速かつ精度良く把握することを目的として、海陸統合三次元地震波速度構造モデルを用いた自動震源決定システムを構築しています。さらに、同システムを用いた再解析により過去20年分の高精度な震源カタログを整備し、カタログから地震活動の時空間的な特徴を表す指標を求めます。現在は、その指標計算に必要な様々なパラメタの地震津波防災研究部門/地震津波火山ネットワークセンター汐見勝彦今後の展望・方向性地震活動は、地震の発生場所(陸のプレート内/陸と海のプレート境界付近/海のプレート内)や震源断層面にかかる力によって異なる特徴を有します。次のステップとしては、上記で検討した地震活動の時空間変化に関する指標類を定常的あるいはイン「通常と異なる地震活動」検出に向けて

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