2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2023.2.21令和4年度成果発表会図フィリピン海プレート上面の等深線分布紹介ページ:https://www.hinet.bosai.go.jp/topics/philippine/?LANG=ja深さ[km](2021)Improvedgeometryofkm東海地域の地下構造をCTスキャンのような方法で解析し、東海地震の震源となる、沈み込むフィリピン海プレートと陸のユーラシアプレートとの境界の形を決め直しました。日本列島は主にユーラシアプレートと北米プレートの上に載っていますが、その下には、東から太平洋プレートが、南からフィリピン海プレートが沈み込んでいます。東海地域の下には浅いところにフィリピン海プレートとの境界があり、そこでは、東海地震や東南海地震がこれまでも起きてきました。今回は、CTスキャンのように地下構造を明らかにすることにより、そのプレート境界の形を構築し直しました。防災科研は日本全国を網羅する陸海統合地震津波火山観測網(MOWLAS)を運用しています。今回は、Hi-netと駿河湾に東海大学や気象研究所が合計約4か月設置した海底地震計のデータを使って東海地域の地下構造を解明しました。解析には、陸域観測網で捉えた自然地震、駿河湾の海底地震計で捉えた自然地震、陸域で実施された発破探査の震源を用いました。東西断面、鉛直断面を短冊状に数多く切り、フィリピン海プレート最上部の速度の遅い海洋地殻、その上側の震源分布、プ駿河湾では反射法探査や屈折法探査も実施されています。それらの振動は、陸域の観測点でも捉えられています。複数の振動を重ね合わせることにより、地震と同じように速度構造解析に活用でき、海底浅部の地震波速度構造の解明に有効です。未利用データを活用して、更に地下構造の解明を進めていきます。レート境界型のメカニズムの地震の震源分布を考慮してプレート境界を引きました(図)。本研究によるプレート境界上面の等深線を黒い実線で表しています。波線は、2008年に発表された研究の結果です。深さ30kmより深いところはあまり変わりませんが、深さ20kmや10kmは、これまでの結果よりも等深線がさらに海側に移り、全体として浅いところにプレート境界が推定されました。このモデルの等深線の座標などはホームページで公開中です。論文:Matsubara,M.,Shiomi,K.,Baba,H.,Sato,H.,&NishimiyaT.thesubductingPhilippineSeaplatebeneaththeSurugaTrough.GlobalandPlanetaryChange,204,2021,103562,doi:10.1016/j.gloplacha.2021.103562紹介ページ論文ページ本研究Hirose et al. (2008)地震津波火山ネットワークセンター松原誠■CTスキャンのように東海地域下の地震波速度構造を推定■構造・震源分布からフィリピン海プレート上面境界再構築■駿河湾下ではこれまでより浅いプレート境界を推定東海地域下のプレート境界の形を更新~CTスキャンの方法で~
元のページ ../index.html#122