)mk(離距のらか源震)mk(離距のらか源震)mk(離距のらか源震■防災科研が管理・運用するS-netは、東日本の太平洋側を網羅する常設の海底観測網です■スーパーコンピュータを使用することで、3次元不均質構造を仮定した高精度な波形計算が可能になりました■S-netの使用及び高精度な波形計算を合わせることで、震源メカニズム*1推定の高度化が期待できます2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2023.2.21令和4年度成果発表会*1:地震の発生場所・断層の向き及び滑り方向等を示すパラメータ。現在は主に陸域観測網の使用により決定されている。波形を描画した観測点震源メカニズム解図1:2017年9月21日に福島沖で発生した地震のS-net観測データにおける、振幅の大きさの分布及び観測波形と計算波形の比較振幅の大きさの分布東西成分0.02–0.05 Hzのバンドパスフィルタを適用した加速度波形上下動成分南北成分観測波形計算波形海域で発生する地震の震源メカニズム推定の高度化には、海底観測網を用いた波形解析が1つの手段だと考えられています。防災科研が管理・運用するS-netは、東日本の太平洋側を網羅する常設の海底観測網です。S-netから得られるデータを解析することで、震源メカニズムを高度化できる可能性があります。これまで、海底観測網を用いた波形解析は難しいと考えられてきました。この原因の1つは、海底に存在する厚い海洋堆積層や沈み込んだ海洋プレート等の3次元的に広がる不均質な地下構造により、地震波形が複雑になってしまうことです。従来、3次元不均質構造を仮定した波形計算は、計算コストの観点から難しいとされていました。しかし、近年の計算機の発展により、これが可能になりつつあります。本研究では、防災科研のスーパーコンピュータを用いることで、3次元不均質構造を仮定した波形計算を行いました。S-netから得られた観測波形と、陸域観測網から決定された震源メカニズム解を仮定して計算した波形を比較したところ、S-netの観測波形を十分に説明しきれていませんでした。これは逆に、S-netから得られた観測波形を用いることで、震源メカニズム解をより高精度に決定できる可能性を示していると考えられます。例:2017年9月21日に福島沖で発生した地震(M6.2)S-netから得られた観測波形を用いて震源メカニズム解を推定することで、より高度な震源メカニズム解カタログを安定的に供給することを目指します。また、従来の震源メカニズム解カタログよりも震源位置の精度を高くすること、より小さい地震まで対象にすることを目標に、研究を進めていきます。地震津波火山ネットワークセンター山谷里奈S-netを用いた震源メカニズム推定の展望
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