■共同住宅の地震被害と住民行動を評価する「震災デジタルツイン」■「震災デジタルツイン」を活用した住民と関係者のコミュニケーション■都市レジリエンス向上のための最適手段選択手法2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2023.2.21令和4年度成果発表会図1共同住宅を対象にした震災デジタルツインの機能と活用のイメージ図2震災デジタルツインの構成都市を構成する重要な要素の共同住宅を対象に、デジタル空間に作成したモデルで巨大地震発生時の被害と住民行動をシミュレーションで評価するデジタルツイン(震災デジタルツイン)を開発し、その活用で人々の生活と経済活動を維持・継続できる強レジリエントな社会を実現する。すなわち、図1に示すように共同住宅に関わる各種データを基に共同住宅建物の躯体や設備の地震被害を予測するとともに、その被害を受けた住民行動も評価する。ここから得られた情報・知により、共同住宅コミュニティ―、地域、社会のそれぞれのレイヤーにおいて、強レジリエントな社会を作る活動が可能となる。震災デジタルツインは、図2のように複数の機能ブロックを連結して構成される。都市の大規模データの収集・活用と機械学習等による分析・処理により、地震動予測から共同住宅建物の地震応答評価を経て、住宅機能評価および住民行動予測に至るデジタルツインを実現し、その結果を統合的に可視化する。また、共同住宅居住者の行動選択把握を踏まえ震災デジタルツインを活用した住民と関係者同士のリスク・コミュニケーション手法および意思決定手法を構築する。また、震災デジタルツイン活用効率化強レジリエンス社会実現を支援する防災情報システム実現の第一歩として、共同住宅にフォーカスした研究開発に着手した。その達成を目指した研究開発を進めるとともに、評価対象をさらに拡げ、都市全体を対象とするデジタルツインシステムの構築を目指す。また、デジタルツインを運用するために不可欠な、都市のふるまいに関するデータを収集するIoTシステム構築も検討する。のため、最適手段選択を容易にする震災デジタルツインの代理モデルをPhysics-InformedNeuralNetworkで導出する。本研究は、科学技術振興機構の2022年度「未来社会創造事業・探索加速型」に採択された。防災科研・地震減災実験研究部門に加え、マルチハザードリスク評価研究部門、災害過程研究部門の研究者、および、東京大学空間情報科学研究センター、東京大学先端科学技術研究センター、東京電機大学、埼玉工業大学と共同で研究開発を推進する。地震減災実験研究部門堀内敏彦共同住宅の震災デジタルツイン
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