]C]vmpp[ snoitartnecnoC]-[ sexP]-[ sexP [ erutarepmeT ssenthgirB lacitreV lacitreVilil50°9876543210 2OS■火山観測用の小型温度ガス可視化カメラを開発■防災科研が開発してきた航空機搭載型画像センサの技術を応用■可搬の小型装置を実現することで新規な火山観測手法を提供2019.○○.○○○○○○○○○○○○○50100150200250300350400450100200300400500600-5-10-15-20-25-305010015020025030035040045010020030040050060010可視化されたSO2ガス可視カメラ阿蘇中岳同時刻の噴煙の可視画像赤外画像(c)の範囲Horizontal Pixels [-]Horizontal Pixels [-]2023.2.21令和4年度成果発表会SPIC-UC/4VGACamera1~420cm2021/11/27 11:53:32SPIC-UC Camera37.95-9.3μm2021/11/27 11:53:322021/11/27 11:53:32SPIC-UC Camera37.95-9.3μm図1.(a)温度とガスを可視化するカメラ:SPIC-UC/4VGA(赤外波長域の4つの波長帯域を計測する4台の赤外カメラ:Camera1~4で構成)設置の様子(阿蘇中岳噴煙試験観測:2021/11/27、草千里展望所より)。(b) 観測時の阿蘇中岳付近の可視画像。(c) SPIC-UC/4VGAのCamera3(観測波長域7.95~9.3μm)の輝度温度画像。Camera1は7.5~14μm、Camera2は9.0~14μm、Camera4は11.8~12.8μmを計測(水蒸気、雲水粒の識別)。SPIC-UCはCamera3 でSO₂ガスの赤外線吸収特性(8-9μm付近)をとらえ赤外線の強度(温度)として可視化する機能を有す。(d)放射伝達シミュレーションにより温度とSO₂ガス濃度の関係を計算し推定したSO₂ガス濃度分布。本観測で、本装置の機能を実証できた(当日のSO₂放出量:約2000~3000tons/day、気象庁調べ)。(a)(c)(b)(d)火山の地下の状態は、火山の表面温度分布、火山性ガス放出量等の火山の表面現象と関連する。これらを知ることで、火山の活動把握に役立つ情報が得られる。その計測手法のひとつに、表面現象から到来する光の波長別の強度(種々の表面現象で異なるスペクトル)をとらえる、光学的リモートセンシング技術がある。防災科研では、1980年代から、多波長の光を計測できる航空機搭載型の独自の画像分光装置を開発し、上空からスペクトルを計測することで、様々な表面現象(温度、SO₂ガス濃度等)の定量を実現した。しかし、この装置は専用の航空機を必要とする大型装置で、その普及は困難であった。そこで、より実用的な装置を実現するため、これまでに開発した多波長計測技術を可搬型のカメラ型装置に選択的に組み込んだ、画像分光機能を有する小型温度ガス可視化カメラ(SPIC)の開発を2016年から開始した。これまでに、各種の分光計測用カメラや、それらを組み合わせたプロトタイプが完成し、2020年から、火山の試験観測を実施中である。図1に、異なる波長域を計測する4台の赤外線カメラで構築したSPIC-UC/4VGAプロトタイプと同装置による阿蘇中岳噴煙試験観測の結果(2021年11月27日)を示す。図1(a)は観測時の同装置、図1(b)は観測時の可視画像、図1(c)は、SO₂ガスの放射、吸収域である8~9μmに主に感度を有する赤外線カメラ(Camera3)今後は、オンサイト校正手法の改善、観測量からSO₂ガスの濃度を推定するシミュレーション手法の改良、さらなる装置の小型化等を実現し、本技術の活用・普及を目指す。の観測結果である。Camera3と異なる波長域を観測する他のCamera1,2,4の観測結果も考慮することで、Camera3は、噴煙中のSO₂ガスの濃度を反映した赤外線の強度(温度)分布を捉えていることが分り、本装置(赤外カメラ)でSO₂ガス濃度分布を温度分布として選択的に可視化できることを実証できた(日本初)。さらに、様々なSO₂ガス濃度の噴煙から到来する光の波長別の強度の放射伝達シミュレーションを行い、温度分布からSO₂ガス濃度分布を推定する手法を開発した(図1(d))。本手法によるSO₂ガスの日発生量推定値(約2500tons/day)は、既存の観測手法(紫外線による線状のSO₂ガス濃度計測)の結果と良い一致を示した。火山防災研究部門實渕哲也小型温度ガス可視化カメラの開発
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