令和4年度成果発表会
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4❷❸❹2019.○○.○○○○○○○○○○○○○VEI 4+>2 km2023.2.21令和4年度成果発表会30<2 km701001327562030ベースサージ50硫黄島のevent tree (2022年8月5日版)。噴火点の水深が類似している明神礁の噴火履歴を参考に作成した。❷、❸、❹の各ノードにおいては、データベースに準拠し、確率的評価を行っている。降灰海面下の大爆発には津波を伴う。最近、小笠原諸島や南太平洋などでの海域噴火が目立つ。2021年8月福徳岡ノ場のVEI(火山爆発指数)5噴火では大量の浮遊軽石が生産された。2022年1月トンガで発生したVEI6近い噴火で発生した激しい大気波により太平洋一円に津波発生した。明神礁の1952年の噴火では調査中の海洋丸が火砕サージに遭難し31名が殉職した。浅海で発生する、高いマグマの噴出率の噴火では激しい噴火につながるため、観測データからいち早く噴火活動度を評価することが重要となる。小笠原諸島硫黄島ではここ数十年は激しい隆起が進行しており、2006年以降は隆起速度が加速し、活発な地震活動を伴って水蒸気噴火が繰り返されている。硫黄島では、マグマ噴火がここ1000年程度の間起こっていなかったが、2022年7月中旬から硫黄島南東部翁浜沖で始まった活動においては、マグマ物質の放出が初めて確認された(長井・他、2022)。硫黄島には防衛関係の施設があり、居住区が翁浜から約2kmに位置している。海域噴火の規模と火砕サージの到達距離にはある程度の相関がある。この噴火が今後活発化するかどうか、居住区に被害を与え1.硫黄島では、地下にコーンシート状にマグマが貫入し、地下水と接触して水蒸気噴火をしていた(長井モデル)が、2022年7月噴火では、コンシートからマグマが直接噴出。2.観測データから活動が上向きになっているかどうか(規模の大きい噴火に移行するかどうか) の判断が、今後、重要に。る可能性があるのかどうか、関連火山のデータベースを元に、USGSのVDAP(火山災害支援プログラム)が用いるEventTreeを適応し、硫黄島の8月初旬時点のハザード評価を試みた(図)。今のところ居住区に火砕サージが到達する可能性は低い。3.硫黄島の過去の噴火履歴や観測データだけでなく、参考とすべき明神礁など類似の海域火山の噴火データベースが重要。4.Event treeを用いた確率的噴火予測においては、国内外の噴火データベースへのアクセスが極めて重要である。■マグマ噴火へ移行した火山島のハザード評価■イベントツリーを使った確率的予測■クライシス毎に判断火山研究推進センター中田節也小笠原諸島硫黄島におけるハザード評価

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