(Gh)(T2)(sl)(gs)(Gh)(T2)(sl)(gs)2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2023.2.21令和4年度成果発表会Gh:m=0.93,n=0.07,R2=0.55,N=243T2:m=1.02,n=0.05,R2=0.66,N=71sl:m=0.20,n=0.36,R2=0.64,N=743gs:m=0.73,n=0.16,R2=0.82,N=34sl:α=0.08,γ=1.49,R2=0.996gs:α=1.90,γ=0.99,R2=0.998Gh:α=0.99,γ=1.06,R2=0.998T2:α=2.02,γ=0.94,R2=0.999図図-図-22標高値の変化量と斜面勾配の計算(広島地域の例)図図-図-33崩壊面積と平均崩壊深D,崩壊生産土砂量と平均崩壊深D崩壊面積と平均崩壊深崩壊面積A,崩壊生産土砂量Vと平均崩壊深図図図-333崩壊面積崩壊面積A崩壊面積A崩壊面積崩壊面積崩壊面積A崩壊面積A崩壊面積と平均崩壊深と平均崩壊深と平均崩壊深と平均崩壊深D,崩壊生産土砂量,崩壊生産土砂量,崩壊生産土砂量,崩壊生産土砂量V,崩壊生産土砂量Vの関係各線形は近似直線,コンターはカーネル密度推定.図図-図-11航空写真から判読される崩壊地(赤矢印)流下方向崩壊生産土砂量が膨大だと土石流の規模が大きくなりやすく,また河道に大量の土砂が堆積するため二次災害の危険性も増します.そのため,崩壊生産土砂量を推定できれば,数値計算による土石流規模の予測や危険度評価に活用できたり,災害後の応急対応計画を検討する上で有用です.崩壊生産土砂量(V)は崩壊面積(A)を使った累乗式(V=αAγ)で近似できることが既存研究で知られています[Simonett, 1967 ; Guzzetti et al., 2009].しかし,既存研究の崩壊深や崩壊面積の値が必ずしも正確ではないことや基礎データに崩壊面積の偏りが存在すること,地質分類が考慮されていないといった問題点があります.そこで本研究は,地質の異なる山地において,土砂災害発生前後の詳細な地形データ(分解能:1m)を用いた標高値の差分計算により崩壊生産土砂量を求め,係数となるα値・γ値を計算しました.その上で,α値・γ値に及ぼす崩壊深や地質の影響を明らかにしました.対象地域は平成26年8月豪雨で土砂災害が発生した兵庫県丹波市市島町及び氷上町(丹波地域)と広島県広島市安佐北区・安佐南区(広島地域)です.地質は20万分の1地質図幅を参照すると,丹波地域が丹波帯頁岩砂岩(sl)・超丹波帯砂岩(gs),広島地域が花崗岩類(Gh)・流紋岩類(T2)・玖珂層泥岩(Ksm)・苅田層泥岩(Nm)です.崩壊地の抽出はGISを用いて,災害前後の詳細な地形データから標高値の変化量を差分計算し(図-2),崩壊生産土砂量(V)を求めました.さらに崩壊地ごとに,崩壊面積(A)と平均崩壊深(D)を求めました.崩壊面積Aと平均崩壊深Dの関係を図-3上段に示します.地質ごとにAとDを累乗式(D=mAn)で近似しました.mとnは係数です.丹波帯頁岩砂岩のようにn値が大きい地質は,m値が小さい傾向がありました.崩壊面積Aと崩壊生産土砂量Vの関係及び,両者を累乗式(V=αAγ)で近似して得られたα値・γ値,決定係数R2値をそれぞれ図-3下段に示します.地質に関係なくAとVの正の関係は明瞭であり,全ての地質において,崩壊面積と崩壊生産土砂量の関係はV=αAγで概ね表現できています.崩壊面積に対する崩壊深の増加割合を示すn値が大きくなる地質(sl)では,V=αAγの傾きに相当するγ値が増大することなどが本研究で明らかになりました.他の地質の土砂災害事例でも統一した手法で解析し,データを蓄積していきます.さらに崩壊地からの生産土砂のみならず,山地河川から下流域へ流出する土砂を定量的に推定する手法の開発を目指し研究していきます.■土砂災害発生後,崩壊地の大きさと形状は航空写真から判読されるが(図-1),土砂量の情報を得るのが困難.■崩壊地の面積と地質の情報から土砂量を推定する手法を開発し,災害後の応急対応計画への活用を目指す.崩壊生産土砂の定量的推定手法の開発水・土砂防災研究部門秋田寛己
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