令和4年度成果発表会
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斜面崩壊)(出算らか値測観数逆の度速位変位観測値変の面斜■斜面崩壊の前兆現象を検知するセンサ■斜面の不安定化への進行状況を監視■斜面がいつ崩れるのか?斜面崩壊早期予測2019.○○.○○○○○○○○○○○○○(c)土砂流動開始時(左:現画像, 右:差分図)(d)土砂流動後((左:現画像, 右:差分図))(a)デプスカメラデプスカメラ90mm×25mm×25mm(b)亀裂発生時(左:現画像, 右:差分図)地形●デプスカメラとは、カメラからの奥行き距離を計測して距離画像データとして出力することができる非接触の距離センサ。※ 実験前との差分を評価しデプスカメラ亀裂降雨雨水浸透地下水位の変化正の変位地下水発生負の変位微小な変形観測値(微小な変位)崩壊発生推定時刻土砂流下土砂流下時間正の変位量分布が増加(斜面の腹見出しを検知)正の変位量分布(土砂流動状況を把握)ジョイント型マルチセンサ観測ロガー雨量計傾斜計土壌水分計間隙水圧計任意の複数深度において斜面内の変位と水分を測れるセンサ(ジョイン型マルチセンサ)(b)観測センサ設置(c)履歴を用いた推定手法図-1降雨時の斜面崩壊の発生プロセスと観測記録を用いた推定手法の概略図【崩壊時】実規模斜面[推定手法1]斜面内の変位と水分変化の履歴から斜面の状況を監視。降雨量安定へ斜面表面の正/負の変位を分析負のデプス変位量が増加(斜面の亀裂を検知)[推定手法2]崩壊直線の変位から発生時間を推定。現在2023.2.21令和4年度成果発表会(b)地下水位の変化図-2実規模斜面による降雨実験結果(推定手法を用いたモニタリングシステム)※約1時間前に斜面の不安定化を検知し、約30分前に崩壊時間を推定図-3デプスカメラを用いた模型斜面の表面の形状変化(地表面の差分結果)評価に効果的なモニタリング手法や情報共有ツールの開発等の検討を進めいきたいと考えています。(a) 降雨による斜面崩壊の発生プロセス(c)推定手法1履歴を用いた推定手法(a)斜面の変位と水分の観測記録(d)崩壊時間の推定手法(d)推定手法2崩壊時間の推定手法マサ土,斜面角度30°斜面長10m深さ1.15m(d)の推定法へ予測豪雨により突発的に発生する斜面崩壊に関して、「いつ崩れるのか?」等の斜面の不安定化に関する情報が望まれています。図-1(a)に、斜面崩壊の発生プロセスの概略図を示しています。降雨による斜面崩壊は発生する前に様々な前兆現象が報告されており、この現象は地下水変化や斜面の微小変位が影響しています。そこで、本研究では、前兆現象の情報を定量的に検知でき、簡易に設置できるセンサの開発を進めています(図-1(b))。次に、センサから得られたリアルタイムの観測情報を用いて、2つの推定手法の研究を進めています。1つ目は、斜面が安定に向かっているか、不安定化に向かっているのかの進行状況を判断することができます(図-1(c))。次に不安定に進行している場合、2つ目の推定手法により、いつ崩壊するかの時間推定が可能となります(図-1(d))。斜面センシングと、この2つの推定手法を組み合わせることにより,通常時の斜面状況の監視に加え、崩壊直前では時間的切迫を示すことが可能となります。図-2は、実規模マサ土斜面を用いた、大型降雨実験施設で実施した本手法の検証実験の結果を示しています。この実験では、1時間前に斜面の不安定化を検知し、30分前に崩壊時間を推定できた結果となりました。今度、降雨から崩壊発生までのプロセスを踏まえることにより、より早期・正確に推定できる手法の開発に繋がると考えています。また、画像解析技術や、図-3に示す3D点群データを簡易に取得できるデプスカメラ等を用いた非接触センサによる観測手法の検討も進めています。このような新たなセンサと本推定手法を組み合わせることにより、より簡易な推定手法の開発が期待できます。さらに、大型降雨実験施設を用いた他機関と連携した研究や、自治体と連携した社会実験を進めており、斜面の不安定化石澤友浩・檀上徹センシングによる斜面崩壊推定手法の開発水・土砂防災研究部門

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