■雲レーダやより高い周波数のレーダ研究には散乱シミュレーションが必要■使い勝手の良い散乱シミュレーションプログラムを探して2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2023.2.21令和4年度成果発表会radarモジュールのKdp計算例を高い周波数に拡張した実行例.もとはFig. 7.7 from Bringiand Chandrasekar (2001), Polarimetric Weather Radar : Principles and Applications.下の図は,粒子の縦横比.scatterモジュール,radarモジュールの計算からPyTMatrixの理解を進め,散乱計算の基礎や,数値解析手法も学びながら,必要なモジュールを開発していきたいと思っています.参考1) https://github.com/jleinonen/pytmatrix2) Leinonen, J., High-level interface to T-matrix scattering calculations: architecture, capabilities and limitations, Opt. Express, vol. 22, issue 2, 1655-1660 (2014)3)Mishchenko, M. I. and L. D. Travis, T-matrix computations of light scattering by large spheroidal particles, Opt. Commun., vol. 109, 16-21 (1994).背景雲レーダやこれから開発が期待されるより高い周波数のレーダの研究には,散乱シミュレーションが必要となりますが,現在,手元にあるプログラムは,計算条件によってはプログラムを書き換えねばならず,使い勝手が良いとは言えません.PyTMatrixの特徴PyTMatrix1),2)は,上記の難点を克服すべく,JussiLeinonenによって開発されました.散乱計算部分は,精度検証等ががなされたT-matrix法のFortranプログラム3)を用い,ユーザーインターフェース部分にはpythonが用いられています.インストールlinuxパソコンにgfortranとanacondaをインストール,ここにpython2.7の仮想環境を作成し,numpy,scipyをインストール,pytmatrixの圧縮ファイルを解凍して,“condasetup.py install”の実行でインストールが出来ました.scatterモジュールとradarモジュールPyTMatrixで重要なのは散乱断面積等を出力するscatterモジュールとレーダ変数を計算するradarモジュールです.radarモジュールにはKdpの計算例があり,その実行結果は右図です.周波数を増やしましたが,使い勝手は良さそうです.PyTMatrixを発見,これはどんなプログラム?水・土砂防災研究部門木枝香織PyTMatrixをインストールしてみました
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