令和4年度成果発表会
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■「ふるリポ!」は防災科研が運用する気象リポートシステム■気象災害を軽減するための研究に市民からの気象リポートを活用■夏休み・冬休みは「小学生親子サポーター企画」を実施2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2023.2.21令和4年度成果発表会「ふるリポ!」に届いた(a)積雪,(b)ひょうが積もった様子,(c)ろうと雲,(d)アーチ雲,(e)積乱雲から降る局地的大雨のリポート写真,(f)2022年夏休み小学生親子サポーター集合写真,サポーターから届いた(g)牛乳パック百葉箱での気温観測,(h)手作り湿度計による観測の様子.「ふるリポ!」(https://fururipo.bosai.go.jp/fururipo/)は,ひょうや雪,雨,強風,雷,身近な水害などに関する情報を市民の皆様にリポートしていただくために,2016年に防災科研が本運用を開始した気象リポートシステムです.「ふるリポ!」では,天気状況に加え,写真やコメントを投稿することが可能です.それにより,通常の地上観測装置では捉えることが難しい地上降水種別の水平分布や,発達した積乱雲に伴う局地的顕著現象に関する情報が得られ,気象災害を軽減するための研究に役立てられています.例えば,気象レーダーによる降ひょう検出アルゴリズムの検証や,冬季雨雪分布の把握,気象レーダーによる突風検知に関わる“ろうと雲”を伴った積乱雲の振る舞いを明らかにする研究などで活用されています.また,2020年からは毎年夏休みと冬休みに小学生親子を対象とした「ふるリポ!親子サポーター企画」を実施し,これまでに延べ400名を超える小学生が参加してくれました.期間中に毎日気象リポートを送る活動を通して気象や天気を観察する力がつき,気象と防災への関心が高まったという参加者の声が多く聞かれました.また本企画では,参加者が毎日同じ時間に気温を観測し「ふるリポ!」で報告する試みも行いました.参加者が多い地域では詳しい気温分布を得ることができ,周辺の緑が少ない地域と多い地域で気温が異なるヒートアイランド現象を捉えることができました.貴重なデータが得られたとともに,多勢のサポーターと一緒に気象観測をする楽しさが共有されました.親子サポーターは,夏休み,冬休みのリポート期間終了後も,空や雲,様々な気象についてのリポートを届けてくれています.「ふるリポ!」で市民の皆様からお送りいただく情報は,防災科研で実施している気象レーダ観測情報の高度利用技術の開発において重要であり,気象災害の軽減に役立ちます.またより多くの皆様に「ふるリポ!」で気象リポートをお送りいただくことで,日々の天気に親しんでいただき,ご家庭や地域の防災力向上のきっかけにしていただきたいと考えています.今後も引き続き「ふるリポ!」の普及とお送りいただいた気象リポートのさらなる活用に取り組んでまいります.気象リポートシステム「ふるリポ!」の運用と活用水・土砂防災研究部門出世ゆかり

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