令和4年度成果発表会
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…&……𝑷𝑷𝑖𝑖=𝑋𝑋1𝑖𝑖,𝑋𝑋2𝑖𝑖,𝑋𝑋3𝑖𝑖⋯parameter 2𝑋𝑋1𝑋𝑋2𝑋𝑋32019.○○.○○○○○○○○○○○○○2023.2.21令和4年度成果発表会parameter 1parameter 2parameter 3雪崩が発生したときに、どこにどの程度の量到達するか?という情報は、防災上非常に重要です。このような情報を創出するためには、例えば同じ場所で起こる雪崩を何度も観測するという方法が考えられますが、都合よく雪崩は起きませんし、起きた雪崩がいつも安全に観測できるとは限りません。そこで、実際の雪崩の代わりに雪崩の動きを再現する数値計算を何度も行い、各場所に到達する量を求めるという手法でハザードマップを作成する手法開発を進めています。雪崩計算のためには、雪崩の規模やその特性(例えば雪が乾いている/湿っている等)を考える必要がありますが、発生規模や特徴などの情報は雪崩発生以前には知るすべがありません。そこで、雪崩の運動を決める発生体積や雪の性質などの未知の不確定な情報を分布で表現し、その分布を雪崩モデルの入力に反映させます。このような入力条件の分布を反映した計算結果を得るためには多数の計算が必要ですが、計算時間がかかります。本研究では効率の良い計算手法を確立し、様々な場所のハザードマップを作成するとともに、観測による計算条件の変化に容易に対応できる、動的ハザードマップ作成手法の開発を行っています(下図)。発生場所を仮定すれば、「ある高さ以上の雪崩が通過する確率」を地図上に表現することができます。この情報からリスク情報を創出していく必要があります。一方で、本研究の前提条件「雪崩がどこで発生するか」は別途予測する必要があり、こちらの研究開発も進めています。また、入力条件の不確定性がどのような分布で表されるか、という推定も観測結果と比較しながら行っています。これらの情報を組み込んだ「いつどこで雪崩が発生しそうで、その雪崩はどこまで到達するか」を示すリアルタイムハザードマップ作成を目指しています。ゆくゆくは雪崩で確立した本手法を異なるハザード(例えば土石流や火砕流)にも適応できる枠組の構築を行っていきます。入力の不確定性(分布)を考慮したハザードマップ作成の概念図。Inputのparameterは例えば発生体積や密度、雪の摩擦特性を表し、Outputは各場所を通過する最大雪崩厚さを表す。その結果得られるハザードマップは「ある高さ以上の雪崩が通過する確率」を地図上に可視化する。Simulator 𝑼𝑼(Model)ParametersettingInputOutputProbabilistic hazard map雪氷防災研究部門田邊章洋■「雪崩がどこにどれくらい到達するか?」を確率的に表すハザードマップ作成手法を開発■環境の変化に対応する動的ハザードマップ作成を目指す確率論的雪崩ハザードマップ作成手法の開発𝑼𝑼(𝑷𝑷1)𝑼𝑼(𝑷𝑷2)𝑼𝑼(𝑷𝑷𝟑𝟑)

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