令和4年度成果発表会
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・・・・2019.○○.○○○○○○○○○○○○○(多様性)M7.8日向灘の地震2023.2.21令和4年度成果発表会M8.1M8.450年超過確率39%10%5%2%プレート上面形状モデル海域活断層のモデル化←一様ハザードスペクトル↑影響度(50年5%)観測点の揺れやすさの例(周期別)〇すべての地震△太平洋P間地震▽フィリピン海P間地震×太平洋P内地震+フィリピン海P内地震◇地殻内地震地震動ハザード評価高度化の検討例地震調査研究推進本部から公表されている「全国地震動予測地図」では、最大速度と計測震度が地震動強さ(揺れ)の指標として採用されている。多様な建物等の耐震設計や耐震性能評価においては、地震動の周期特性を把握することが重要である。本検討では、道府県庁所在地の市役所、都庁および北海道の地域振興局位置の計61地点を対象として、8つの周期ポイント(0.1, 0.2, 0.3, 0.5, 1.0, 2.0, 3.0, 5.0秒)における減衰定数5%の加速度応答スペクトルに関する地震動ハザード評価を行った。一方、2022年3月に地震調査研究推進本部から「日向灘及び南西諸島海溝周辺の地震活動の長期評価(第二版)」、「日本海南西部の海域活断層の長期評価(第一版)」が公表された。これらの評価を地震動ハザード評価に取り込むための地震活動モデルの改良についても検討した。具体的には、日向灘の巨大地震(マグニチュード8クラスの地震)と日本海南西部の海域活断層を新たにモデル化するとともに、「震源断層を予め特定しにくい地震」の領域区分を見直し、さらに沈み込むフィリピン海プレート上面形状のモデルを更新した。応答スペクトルに関するハザード評価のさらなる利活用につなげるためには、面的な評価(予測地図)へと展開していくとともに、対象とする周期ポイントを増やす必要がある。一方で、計算量・データ量が膨大となるため、地図データとして保有するのではなく、ユーザーが地点・周期ポイントを指定すると計算を行い、結果をダウンロードできるようなシステムを構築していくことも考えられる。「強震動統一データベース」を構築し、それを用いて地震動予測モデル(Morikawa and Fujiwara, 2013 の地震動予測式)をマグニチュード5以下の地震や震源から200km以遠まで適用できるように改良するとともに、観測点ごとの周期別の「揺れやすさ」を評価した。引き続き、この改良した地震動予測モデルと「揺れやすさ」を用いることで観測と予測の誤差(ばらつき)がどのような分布形状となるかについて、分析を進めている。「全国地震動予測地図2020年版」の後、防災科研では地震発生確率の基準年を2021年、2022年とした地震動予測地図を作成・公開してきたが、本検討で行った地震活動モデル及び地震動予測モデルの改良に加え、今後の新たな知見を継続的に取り込んでいくことにより、地震動予測地図の高度化に貢献していく。■周期別の地震動ハザード評価による利活用促進■新しい長期評価に基づく地震活動モデルの改良■強震動統一データベースによる地震動予測モデルの改良地震動ハザード評価の高度化マルチハザードリスク評価研究部門森川信之

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