令和4年度成果発表会
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■地すべり地形分布図:過去の地すべりの痕跡を判読■ハザードポテンシャル評価■地すべり地形分布図利活用の促進2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2023.2.21令和4年度成果発表会地すべり地形分布図の高度利用に向けた取り組み全60集のシリーズとして公開されている防災科学技術研究所「1:50,000地すべり地形分布図」(以下,地すべり地形分布図)は,空中写真を用いて,過去の地すべりの痕跡を判読した主題地形図である.GISの普及や解析の高度化に伴い,電子化された地すべり地形情報は,地形図や地質図同様に山地調査・開発における基礎資料として活用されている.過去に発生した地すべりが再滑動する事例が多いものの,全てではない.近年の発生事例を収集・分析し,豪雨や地震などの地すべり地形分布図の判読手法の標準化と合わせて,地震による地すべり,誘因が不明確な地すべりの事例収集,カタログ化を進めている.GISデータの更新に関しては,各地すべりの滑落崖-移動体のペア認定作業を行っている.これらに基づいて、ハザードポテンシャルが高い活地すべりの抽出と特徴の分類を進める。地すべり地形分布図の利活用については,山地調査・開発において基礎資料とし用いるユーザーの声を聞きながら促進を図る必要がある。誘因ごとに発生場の特徴を抽出することで,地すべり地形分布図からハザードポテンシャルの高い地形の抽出を目指す.また,防災科学技術研究所と国土交通省国土技術政策総合研究所・土木研究所がオンライン形式で共催した「2019/2020年度土砂災害予測に関する研究集会」では,地すべり地形分布図を主題として,関連する問題意識を持つ研究者・技術者が一堂に会して議論し,地すべり地形分布図を防災・減災対策に生かすための課題を明らかにし,情報の共有を図った.地すべり地形分布図の利活用マルチハザードリスク評価研究部門山田隆二

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