2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2023.2.21令和4年度成果発表会図1大阪北部地震を経験した市町村の防災・危機管理職員によるワークショップの様子図2ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャーによる防災計画に基づいた災害対策本部業務の構造化災害が発生した場合、基礎自治体が災害対策本部を設置し、初動対応から復旧・復興までの被災者支援全体を担う。実施すべき業務が多岐に渡るが、主たる担当となる防災・危機管理職員は一般の事務職であり、他の部署と同じく2~3年で異動することが主で、防災から災害対応にかかる幅の広い知識について深く蓄積することは、組織全体で強く努力を続けなくてはならない。しかし、災害は、人々が準備できているかに関わらずやってくるため、行政職員の異動のタイミングや、自治体規模によって、災害対応に資する知識やノウハウ、資源に差があり、それが災害対応のスムーズさや被災者支援の手厚さ影響する。本研究開発では、そういった基礎自治体に起こりうる苦労を軽減し、多くの被災自治体でよりスムーズな災害対応が実現され、被災者が受ける苦しみを低減するために応急対応DXを研究開発している。その中でも本研究では、システムに求められる機能を洗い出し、基本設計に結び付けるための基礎研究として、災害対応業務を構造化し、災害対応の望ましい標準的な形を検討することを目的としている。これまでの調査研究で得られた結果をもとに、災害対策本部レベルでの災害対応における意思決定について、マルチハザードかつ多くの自治体レベルで使える標準的なフローを整理し、それにもとづいたシステム設計にするべく研究開発を進める予定である。本研究で開発されたものが、実際の現場で実用可能なものになるためには、設計段階から実務者の知見を取り入れることが望ましい。また日本全体での災害対応の質を担保するためには、ある程度の水準が保たれるよう、望ましい標準形が必要である。そのため、専門家や国の計画に加えて、防災・危機管理経験の長い実務者の意見を取り入れて、研究を進めている。■災害対応の中心となる基礎自治体の意思決定を支えるために、災害対応DXの研究開発を行う必要がある■そのためには、災害対応業務の構造化を通して、災害対応の標準的な形を見つける必要がある。災害過程研究部門氏名松川杏寧応急対応DXのための災害対応業務構造化
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