令和4年度成果発表会
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2019.○○.○○○○○○○○○○○○○2023.2.21令和4年度成果発表会2023.2.21令和4年度成果発表会地熱といえばまずは温泉を思い浮かべますが、地下の温度構造に関する情報は、地震発⽣層の下限とされる地殻の脆性、すなわち延性転移深度の決定、海溝型地震やスロー地震の理解、最近のプレートテクトニクス活動の歴史の解明など多くの分野で必要とされています。熱構造の解明に必要となる地殻熱流量データは、陸域では利⽤可能な坑井の空間的分布に制約があり、地熱地帯を除くと、データの分布密度が低い地域が多く存在します。本研究では、東北地⽅に概ね20km間隔で約130か所に整備されている防災科研⾼感度地震観測網(Hi-net)の坑井で新たに地殻熱流量を測定し、堆積層の存在、熱伝導率の温度依存性、岩相による発熱量の違いを考慮した地殻温度構造推定モデルを新たに構築し、東北地⽅の地下の温度分布を推定しました。奥⽻⼭脈付近の地下は⾮常に⾼い温度を⽰す⼀⽅、三陸沿岸部では地下5㎞でも100℃程度という温泉掘削には不利な場所であることがわかります。このように、東北地⽅では極めて温度の⾼い地域と、極めて温度の低い地域が隣り合わせに存在しています。動画概要東北地⽅の地下熱構造の推定〜東北の地下は熱くて冷たい︖〜地震津波⽕⼭ネットワークセンター松本拓⼰

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