地盤・基礎実験

地盤・基礎構造物系の地震時挙動の解明のため、既存中規模震動台による振動実験及び三次元数値シミュレーション解析を実施し、E−ディフェンスでの実大実験を実施するための基礎資料を得ると共に、地盤・基礎構造物系の地震時挙動の詳細な考察と高精度に予測できる手法の確立を目指します。また、基礎構造の耐震性向上のため、杭頭半剛接合工法や液状化時側方流動対策の各種技術など新工法・新技術の開発・評価も行います。さらに、E−デフェンスでの実大震動実験に向けて、施設整備及び実験計画を行います。
そのため、次の研究テーマに取り組んでいます。また、地盤基礎実験に関する研究業務を円滑に進めるため、防災科学技術研究所内に地盤基礎実験委員会(委員長:時松孝次・東工大教授)を設置し、各研究項目の計画・実施・結果などについて審議・検討を行っています。

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研究課題と体制
研究テーマの詳細な内容は、成果報告書 をご覧下さい。         
研究テーマ 担当機関 研究概要 Topics
地盤−杭基礎の三次元非線形動的相互作用の実験
(平成16年度終了)
独立行政法人 
 農業工学研究所
E−ディフェンスで実施を予定している実大の地盤−杭基礎−構造物の三次元震動破壊実験の予備的研究として、地盤−杭基礎−構造物の三次元非線形動的相互作用実験を既存の中規模せん断土槽および振動台を用いて行います。二方向せん断土槽を用いた杭および地盤の三次元振動実験により、鉛直振動や水平面内での二方向振動が杭に及ぼす影響を明らかにし、地盤の構成や杭の剛性が動的破壊挙動に及ぼす影響を解明します。また、その結果はE−ディフェンスでの地盤・基礎実験計画の基礎資料とするとともに、地盤−杭基礎−構造物の三次元予測解析のデータとします。
実験状況
地盤−杭基礎−構造物の三次元数値シミュレーションの研究
鹿島建設(株)
(株)竹中工務店
地盤−杭基礎−構造物の三次元非線形動的相互作用実験の実験結果を、既存のシミュレーション解析手法によりどの程度再現できるかを把握するため予測解析を行います。解析結果と実験結果の比較・検討、多方向入力を扱った非線形地盤・杭基礎モデルの三次元数値解析の研究成果を通して、多方向入力の影響やその際の杭応力・群杭効果等に関して得られる知見を整理すると共に、解析法の有効性・精度を検証し、高度化を行います。 解析モデル
地盤−基礎構造物系の耐震性向上新技術・新工法の開発
(平成16年度終了)
大成建設(株) 基礎の耐震性向上技術として、杭頭半剛接合構法に着目し、その有効性を検証します。そのため、杭頭接合部を半剛接合(半固定)とした杭基礎構造物を対象として解析並びに実験を実施し、構法の地震時における杭の被害軽減の有効性を検証すると共に、杭基礎の合理的な耐震設計手法を構築します。 工法紹介
側方流動に対する基礎の破壊メカニズム解明の実験
(平成16年度終了)
独立行政法人
 土木研究所
E−ディフェンスで実施する大型土槽実験の事前研究として、既存の振動台を用いて中規模土槽実験を行います。基礎地盤が側方流動する場合の杭基礎−上部構造物系の振動台実験を行い、護岸背後にある杭基礎と地盤、上部構造物の相互作用を明らかにします。また、その結果はE−ディフェンスでの基礎地盤が側方流動する場合の杭基礎の実験計画の基礎資料とすると共に、側方流動に対する杭基礎の三次元予測解析のデータとします。
実験状況
側方流動に対する基礎の三次元数値シミュレーションの研究 東北大学
基礎地盤
 コンサルタンツ(株)
側方流動に対する基礎の破壊メカニズム解明実験の実験結果を、既存のシミュレーション解析手法によりどの程度再現できるかを把握するため予測解析を行います。解析結果と実験結果との詳細な比較を行うことで、液状化地盤と構造物の挙動をより詳細に考察すると共に、解析手法の妥当性と精度の検証および手法の問題点・改良点を明らかにし、液状化に起因した側方流動地盤中の基礎の破壊を高精度に予測する手法を確立します。 解析モデル
側方流動に対する基礎の耐震性向上に関する新技術・新工法の開発
(平成16年度終了)
社団法人
 地盤工学会
E−ディフェンスで実施する実大の地盤に関する耐震性向上の実験研究に向けて、合理的で新しい流動対策技術を開発・提案し、小型並びに中型振動台実験,動的遠心模型実験による流動対策効果の確認すると共に、適用性を確認するため簡易なシミュレーション解析を実施します。 開発工法
地盤の三次元挙動評価技術の開発 東京工業大学
独立行政法人
 防災科学技術研究所
E−ディフェンスでの地盤−構造物系実験結果の革新的評価に向けて「地盤−杭基礎−構造物の三次元非線形動的相互作用の実験とその数値シミュレーション」および「側方流動に対する基礎の破壊メカニズム解明の実験とその数値シミュレーション」の成果を踏まえつつ、三次元入力場での地盤と構造物の大変形時の挙動を予測する設計用簡便法、および地盤の三次元挙動評価技術の開発を行います。 開発状況
E−ディフェンスによる実大土槽震動実験計画及び施設整備 東京工業大学、防災科学技術研究所、農業工学研究所、鹿島建設、竹中工務店、大成建設、地盤工学会、信州大学、清水建設、東京ソイルリサーチ E−ディフェンスによる実大土槽振動実験により、どのように実験研究の成果を挙げて行くかを考慮して、実験計画を立案します。また、立案する実験を実施するために必要な実験関連施設の検討を行います。
計画を基に、E−ディフェンスでの地盤-構造物系の実験を行い、地盤-構造物の飛躍的耐震性向上に資する基礎資料の整備とともに三次元加振における地盤-基礎構造物系の実大挙動の把握、実験データの蓄積と数値シミュレーションツールの検証を行います。
実験計画例
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