プロジェクト等紹介

実施中の3つのプロジェクト+α

平成27年度に実施したフィージビリティスタディによるニーズ、及びシーズ調査、新しい技術の調査などを踏まえ立案した、気象災害軽減イノベーションセンターが行う3つのプロジェクトをご紹介します。また、防災科研の強みを活かしたその他の活動をご紹介します。

プロジェクト1.IoT を活用した地域防災システム開発~地産地防による地域創生~

地域の防災上の課題を解決するため、積雪重量、水位などのセンサーを開発し、モデル地域に設置するとともに、地域のステークホルダーや生産者等と連携し、IoT 技術を活用しながらデータの収集、提供を図ります。最終的に、気象予測、雪氷・土砂災害予測の予測精度向上をめざします。

プロジェクト2.大雪対応サプライチェーンマネジメントシステム開発

平成26 年2 月の南岸低気圧大雪の損害は5,000 億円(損害保険含む)にも及ぶと言われています。この時の大雪では、交通・物流の復旧に時間が必要となり、物流に関しては地震の被害に次いで損害額が大きくなることが判明しました。

特に非雪国においては、雪の情報の不足が被害の拡大を招いています。例えば、現在気象庁アメダスの積雪深観測地点は、東京に1 箇所、関東全域でも15 箇所ほどしかありません。

そこで、企業との協働で新しく開発する安価な積雪センサーと気象センサーを設置することにより、それを基に防災科学技術研究所が行う積雪予測を高精度化する研究開発を行います。また、生成した積雪の情報を活用することにより、大雪時の物流の確保や雪氷災害軽減の実現につなげることを目標としています。

プロジェクト3.首都圏の稠密気象情報提供システム開発

早期予測技術により生み出される防災情報が市民一人ひとりや事業者に確実に伝達され、行動に結びつけられることにより、市民の自己決定力や社会機能の維持能力を向上させる技術開発を目指します。

具体的には、早期予測技術をコアとして、ステークホルダーのニーズに応じたシステム開発を進めるため、システム化に必要な実現化技術・要素技術、知識基盤・基礎的研究項目を明らかにし、民間気象事業者等と連携してシステムの具体化を図ります。

プラスα:その他の活動

その他、オープンイノベーションを推進するため、他機関・研究者との連携を進め技術や情報をハブに糾合する戦略として、「気象災害軽減コンソーシアム」を立ち上げ、情報の共有、ワークショップによるニーズの抽出、ワーキンググループによる課題の解決に向けた検討や、防災科研が有する大型実験施設を利用した防災新技術の性能評価・標準化、防災教育のカリキュラム、テキストの検討等にも取り組みます。