「IoT×防災」セミナー~IoTで進める地域社会と産学官の防災連携~
終了いたしました。
多くの皆様にご参加いただき、ありがとうございました。
当日は184名の参加者を迎えることができました。本セミナーの第1部では、東京大学先端科学技術研究センターの森川博之教授による基調講演に加え、弊所気象災害軽減イノベーションセンターの上石勲副センター長、情報通信研究機構耐災害ICT研究センターの熊谷博センター長、NTTドコモIoTビジネス部の仲田正一担当部長から、防災分野におけるIoT技術活用の現状や今後の展望についてご講演いただきました。森川教授の基調講演では、IoT技術の導入によってこれまでアナログプロセス(手作業)に頼ってきたことの多くをデジタル化することが可能になり、災害前の予知予測から災害後の復旧復興までの様々な場面において、情報の伝達や共有がより簡易で迅速なものになるとの展望が示されました。
第2部のパネルディスカッションでは、モデレータを務めていただいた九州工業大学の田丸喜一郎客員教授のほか、第1部の講演者3名と横須賀市市民安全部の小倉和昭危機管理課長にパネラーとしてご登壇いただき、IoT技術を活用した防災システムの今後の展開と、防災・減災を進めるための地域連携への期待について議論しました。はじめに小倉様から、横須賀市でのIoT避難看板・トーキーボックスを活用した災害情報伝達の取組み(国土交通省の実証実験)についてご紹介いただき、今後このような取組みを各地で展開していく上でどのような課題があるかを中心に、パネラーや参加者が意見交換を行いました。
本セミナーを通じて、IoT技術が防災・減災に役立てられるようになるためには、技術の開発もさることながら、その技術をつかって情報の伝達と共有を行う自治体の防災担当者と市民が連携を深めていくことが重要であると感じました。当センターのハブとしての役割を果たし、地域連携を深めるIoT技術の積極的活用を進めて参りたいと思います。
第1部:基調講演の様子
第2部:パネルディスカッションの様子
来場者アンケート
■来場者数:184名(参加申し込みに対し80.3%)
※事前申し込み229名、当日参加8名
■アンケート回収:96名(回収率52.2%)
[セミナーは参考になりましたか?]
大変参考:37%、参考:53%、どちらともいえない:5%、参考にならなかった:1%、回答無し:3%
[セミナーをどこでお知りになりましたか?]
Web:13%、関係団体:40%、知人:38%、その他:6%、回答無し:4%
[ご所属]
ICT関係:55%、自治体:3%、官庁:6%、防災関係:13%、その他:20%、回答無し:3%
開催案内
地域社会と産学官連携を促進するため、防災・減災に関する現状課題とIoTシステム、センサーネットワークシステムを活用した今後の取組みをテーマとして、「IoT×防災」をキーワードとしたセミナーを開催します。
- 日時
- 2017年1月26日(木曜)13時30分~16時40分(終了いたしました)
- 会場
- 都道府県会館(平河町)101大会議室
- 主催
- YRP研究開発推進協会、防災科学技術研究所(NIED)、WSN協議会
- 後援
- 総務省、文部科学省、情報通信研究機構(NICT)
- 参加費
- 無料
- お申込み
- 何方でもご参加頂けます。(申込期間は、終了いたしました)
- プログラム
-
13時00分 開場 13時30分 開会挨拶 来賓挨拶 13時40分 基調講演 「IoT×防災の威力」
東京大学 先端科学技術研究センター
森川 博之 教授14時25分 講演1 「防災・減災の現状取組みとセンシングの必要性」
防災科学技術研究所 気象災害軽減イノベーションセンター
上石 勲 副センター長14時55分 講演2 「IoT時代の災害に強い情報通信技術の研究開発」
情報通信研究機構 耐災害ICT研究センター
熊谷 博 センター長15時25分 講演3 「昨今のドコモのIoT及び防災への取組み」
NTTドコモIoTビジネス部
仲田 正一 担当部長15時45分 休憩 15時55分 パネルディスカッション
「防災におけるIoTシステム展開と地域連携への期待」
モデレータ:
九州工業大学 客員教授 田丸 喜一郎16時40分 閉会 - 講演内容
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基調講演 「IoT×防災の威力」
東京大学 先端科学技術研究センター 森川 博之 教授
地球温暖化による世界的な防災・減災に対する関心の高まりから、IoTに対する期待が高まりつつある。IoT×防災を実現する上で、何が必要になるのか、何をしていかなければいけないのかについて考える。講演1 「防災・減災の現状取組みとセンシングの必要性」
防災科学技術研究所 気象災害軽減イノベーションセンター 上石 勲 副センター長
防災・減災には、災害自体やそれを引き起こす現象の面的な把握と、それに基づいた活用できる情報が重要である。イノベーションセンターではコンソーシアムを設立し、関連する産官学が糾合する研究開発体制を構築し始めた。安価なセンサーの研究開発やシステム化にも取り組み、熊本地震後の大雨による土砂災害対策や、雪による物流阻害を防ぐためのコンビニチェーンと共同したセンシングなども開始した。今後も、「防災」と「IoT」が相乗効果を生んでいくよう進めていきたい。講演2 「IoT時代の災害に強い情報通信技術の研究開発」
情報通信研究機構 耐災害ICT研究センター 熊谷 博 センター長
災害情報を集める技術や配る技術において、IoTの適用が期待される。特に、災害時には通信インフラが正常ではない場合でも機能を果たすことが求められる。このような耐災害ICTについて検討する。講演3 「昨今のドコモのIoT及び防災への取組み」
NTTドコモIoTビジネス部 仲田 正一 担当部長
NTTドコモは災害時でも通信サービスが維持できる事を目指した対策や早期復旧に日々努めており、防災は非常に重要なテーマである。
一方、IoTについても2Gの頃からユビキタスやM2Mを経て継続して取り組んできている。通信サービス維持の取り組みについては熊本地震の時の状況などをトピックとして紹介し、IoTについては人口知能やドローンに関連した昨今の実証実験の紹介と、防災科学技術研究所様や地元の方々と一緒に取り組んできた防災関連の事例などを紹介する。パネルディスカッション 「防災におけるIoTシステム展開と地域連携への期待」
モデレータ:九州工業大学 客員教授 田丸 喜一郎
「IoT×防災」のテーマに相応しい各界の著名な講演者をパネラーにお招きし、具体的にIoT技術を活用した防災システムの展開と、防災・減災を進めるための地域連携への期待について議論する。 - お問合せ
- YRP研究開発推進協会 WSN協議会 事務局
〒239-0847
神奈川県横須賀市光の丘3-4 YRPセンター一番館
TEL (046)847-5002 柘植(つげ)