E-ディフェンス ブラインド解析コンテスト2009
独立行政法人防災科学技術研究所では,E-ディフェンス震動台による鉄骨造建物実験を対象としてブラインド解析コンテストを実施しています。コンテストの最終目的は,高精度の数値シミュレーションを通
じて耐震性能を改善させることです。昨年度第1 回は実大4 層鉄骨造建物の崩壊実験を対象としたコンテストを実施しました。第2 回となる今年度は実大5 層鉄骨造制振骨組を対象としたコンテストを実施します。震動台実験は2009 年2 月下旬~4 月上旬に予定されており,兵庫県南部地震の記録地震波をもとに震動台性能を最大限に活用した加振を行い,実際に建物に組み込まれた制振ダンパーの大地震下における性
能を検証する計画です。
コンテストは,防災科研が推進する「E-ディフェンス鉄骨造建物実験研究」の実行部会のもとに編成された制振・免震実験ワーキンググループ(WG)により実施されます。WG は,コンテストの告知,解析に必要な資料の配布,質疑回答,解析結果の受付,審査と結果の公表を行います。
コンテストの参加者は,加振実験の前と後のそれぞれで試験体の応答を予測します。そして,実験後の解析で,最も近い予測をした者(チーム)を表彰します。実験前後で2 段階の解析を行う理由は,実験前には,厳密な震動台の動きとコンクリート強度が不明なためです。実験前解析では,理想的な地震動および想定のコンクリート強度を用いてモデル化および解析手法を決定し,実験後解析では,定まった解析シ
ステムに,実際に震動台上で計測された加速度およびコンクリート強度試験結果のみを変更させ再度解析を行います。
コンテストは,解析方法と解析対象ダンパーによって,(カテゴリー1)立体骨組解析・鋼材ダンパー,(カテゴリー2)立体骨組解析・粘性ダンパー,(カテゴリー3)平面骨組解析・鋼材ダンパー,(カテゴリー4)平面骨組解析・粘性ダンパーの4 カテゴリーに分類され,カテゴリーごとに合計4 人(チーム)を最優秀者として表彰し,3 位までを入賞者として表彰します。
審査は完全に匿名で行われ,参加者全ての所属と名前とともに,最優秀者・入賞者のみ順位を公表します。防災科研は,最優秀者を東京工業大学都市地震工学センター(CUEE:Center for Urban Earthquake
Engineering)主催の第7 回都市地震工学国際会議(2010 年3 月)に招待し、特別セッションにおいて表彰する予定です。
コンテストのスケジュール
2008年12月5日 | : | エントリー受付開始 | |
2009年2月15日 | : | エントリー締め切り | |
3月2日 | : | 実験前解析締め切り | |
2月下旬~4月上旬 | : | 震動台実験 | |
5月14日 | : | 震動台上加速度の公開 | |
6月30日 | : | 実験後解析締め切り | |
9月30日 | : | 審査結果の発表 |
E-ディフェンス鉄骨造建物実験研究実行部会
部会長 | : | 笠井和彦(東京工業大学) |
コンテスト企画 | : | 大崎純(京都大学) |
制振・免震実験WG主査 | : | 笠井和彦(東京工業大学) |
コンテスト委員 | : | 元結正次郎(東京工業大学)、伊藤浩資(東京工業大学)、金子健作(大林組)、石井正人(日建設計)、 井根達比古(防災科研)、引野剛(防災科研) |
審査方法
「審査方法」やその他の詳細な案内は、下のボタンをクリックしてご覧ください。
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