実験
地震や津波、雨や風などの自然現象は、
実験施設で再現して調べることができます。
そのしくみを理解し、
被害を減らす研究が行われています。
地震
実際の揺れを人工的に起こして、地震による地面の揺れの再現実験を行えるのが「振動台」です。
なかでも兵庫県にあるE-ディフェンスでは1995年の兵庫県南部地震や、2011年の東北地方太平洋沖地震と同じような揺れを再現し、実物大の建物を使った実験を行うことができます。
これにより、10階建てビルや木造住宅がどのように壊れるのか、室内の家具がどう動くのかなど、地震により発生する建物の被害の様子をくわしく調べることができます。実験結果は、建物がどのくらいの揺れに耐えられるかを調べたり、新しい対策技術の開発などに役立ちます。
E-ディフェンス
- 【動画提供】
- 国立研究開発法人防災科学技術研究所
津波
津波の再現実験では、大きな水路を使い、本物に近い波や津波を安全に再現して調べます。
大規模波動地盤総合水路では、長さ184m、深さ12mの大きな水路を用いることで、風によってできる高い波や、地震によってできる大きな津波を再現することができます。水が地面や建物にどのような力を与えるのかを調べ、津波や高潮による被害を減らす方法を考えることで、港の安全を守るための研究にも使われています。
大規模波動地盤総合水路
- 【写真・動画提供】
- 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所
港湾空港技術研究所
雨
雨の再現実験には、人工的に雨を降らせるための「降雨装置」が用いられます。
大型降雨実験施設では、霧雨(きりさめ)からゲリラ豪雨(ごうう)まで、雨粒の大きさや落ちる速さなど自然に近い再現ができます。これにより、実物大の家を用いて浸水や洪水の広がりの様子を確認することや、実際の地形に近い斜面で土石流(山の土や石が一気に流れ降りる現象)の発生過程や土砂災害を再現した実験ができます。さらに毎秒25mを上回る強風を人工的に起こすことができる装置も備わっており、台風レベルの風や雨の中でも自動車の自動運転やドローンの飛行が可能なのかを実験することもできます。
大型降雨実験施設
- 【動画提供】
- 国立研究開発法人防災科学技術研究所
雪
雪の再現実験では、人工的に雪を降らせて、積雪や吹雪など冬の雪国で起こる現象を再現できます。
雪氷防災実験棟では、自然に近い雪を再現して降らすことができます。気温を低くした実験室の中で、真夏であっても気温、降雪、降雨、風速および日射などを自由に変えることで様々な、雪国の環境を再現しています。
降雪のしくみなどを解明するほか、風の中で雪が建物の上やまわりにどう積もるかなど雪国の暮らしに欠かせない実験が行われています。
雪氷防災実験棟
- 【動画提供】
- 国立研究開発法人防災科学技術研究所
川
川のはたらきや災害の起こり方を調べるために、水理模型実験施設が用いられます。
水理模型実験施設では、本物の川や地形を小さく再現した模型に水を流し、川の流れや水位の変化を調べることができます。実際の河川整備や防災対策を想定し、大雨のときの川の水位の上がり方や洪水の広がり方を再現します。
堤防の位置や川幅を変えて実験を行い、川底に土砂がたまって氾濫(はんらん)しやすくなったり、堤防が深く削られて壊れたりしないか、また、好ましい自然環境が形成されるかといったことが検証されています。
これらの実験結果は、全国の川づくりや防災計画に生かされ、より安全な社会をつくるための技術や基準づくりに役立てられています。
水理模型実験施設
- 【写真提供】
- 国土交通省国土技術政策総合研究所
風
風の再現実験では、台風のような強い風や雨を人工的に起こすための装置を使います。
実大強風雨実験棟では、実際の家と同じ大きさの模型に強い風や大雨を当てて、どれくらい耐えられるかを調べることができます。例えば、屋根や壁がどのように壊れるか、雨がどこから入ってきやすいかなどを、確かめることができます。
実大強風雨実験棟
- 【写真提供】
- 国立研究開発法人建築研究所
竜巻
竜巻(たつまき)の再現実験では、竜巻のように移動しながら旋回する風を人工的につくる装置を使います。
建築研究所の竜巻状気流発生装置では、竜巻状の風を再現し、建物がどんな力を受けるのか、どんな部分が壊れやすいのかを建物の模型を用いて調べることができます。
竜巻状気流発生装置
- 【写真提供】
- 国立研究開発法人建築研究所