雪
冷えた空気の中で
水の粒が凍り、雪になります。
気温や湿度によって、結晶の形が変わります。
雪の降り方
地上に降ってくる雪は、上空の氷点下(0℃より低い気温)の雲の中で生まれた小さな雪結晶(ゆきけっしょう)が成長しながら落ちてきたものです。
生じたばかりの雪結晶は氷晶(ひょうしょう)と呼ばれる小さな氷の粒です。その多くは、雲の中の小さな水の粒(雲粒:うんりゅう)が凍ったものです。氷晶は、周囲の水蒸気を表面に直接取り込む結晶成長によって、より大きな雪結晶になります。雪結晶は成長が進むと、重さを増してゆっくりと落下してきます。
雪結晶は、雲や気温などの条件によって、他の方法でも成長します。雲の中の雲粒がぶつかることで、雲粒が雪結晶の表面に凍りつくことがあります。上昇気流(あたたかい空気が、下から上にのぼる動き)をともなう雲の中ではこの現象はよく起こります。とくに上昇気流が強いところでは同じ仕組みによりあられも成長しやすくなります。あられは雪と似ていますが、大部分がこのような凍りついた雲粒で形作られています。
気温が−5℃よりあたたかいと、雪結晶どうしがぶつかったときに合体しやすくなり、多くの雪結晶からできた雪片(せっぺん)が形作られます。雪片どうしもまた、合体することでより大きなぼたん雪に成長します。
こうして成長した雪は、地上の気温が0℃以下であれば融解(氷がとけて水になること)せずに地上に届きますが、気温が0℃より高い場合には、地上に届く前に一部または全部が融解してみぞれや雨になります。
雪結晶の種類
生まれたばかりの雪結晶である氷晶は、たいてい六角柱(ろっかくちゅう)の形をしています。細長いものもあれば、平たいものもあります。雪結晶はこの六角柱の氷晶から成長するので、大きくなっても六角形の特徴をしっかり残していますが、成長とともにさまざまな形へと変わっていきます。
なぜ雪結晶はこんなにいろいろな形になるのでしょうか。その理由を世界で初めて解き明かしたのが、日本の物理学者・中谷宇吉郎(なかやうきちろう)です。中谷先生は、実験室で人工的に雪結晶を作り、雪結晶の形が気温と水蒸気量によって変わることを発見しました。
空の上では、高さや場所によって気温や水蒸気量が違います。雪結晶が地上に落ちてくる間、いろいろな温度や水蒸気量の層を通り抜けます。そのたびに成長の仕方が変わり、地上に届くときにはさまざまな形になるのです。雪結晶の形がさらに複雑になる理由は他にもありますが、このようなたくさんの雪結晶の形をわかりやすく整理するために、日本の研究者たちは「グローバル分類」を作りました。この分類では、雪結晶やあられ、ひょうなども含めてなんと121種類にも分けられています。
- 【参考文献】
- 菊地勝弘・亀田貴雄・樋口敬二・山下晃・雪結晶の新しい分類表を作る会メンバー(2012)
「中緯度と極域での観測に基づいた新しい雪結晶の分類 -グローバル分類-」,『雪氷』74, (3) 日本雪氷学会
雪崩
「雪崩」は、山の斜面に積もった雪がまとめて崩れ落ちる現象です。雪はふだん、地面や岩、木や建物、それに雪同士がくっつく力によって支えられています。この支える力よりも、雪が落ちようとする力の方が強くなると雪崩が起こります。特に短い時間でたくさんの雪が積もったときに起こりやすくなります。また、きれいな形をしたふわふわの新しい雪が積もったときや、昼と夜の寒暖差が激しいときに、雪の中に崩れやすい面ができることがあります。これを「弱層(じゃくそう:一番崩れやすい面)」といい、この上に雪が乗った状態で、その上を人が歩いたりスキーをしたりすると、ちょっとした衝撃をきっかけに、弱層が崩れて上の雪が一気にすべり出します。このような雪崩を「表層雪崩(ひょうそうなだれ)」といいます。
また、春になってあたたかくなったり、雨が降ったりして地面と雪の間に水が入り込むと、積もった雪が地面からまるごと落ちてしまいます。これを「全層雪崩(ぜんそうなだれ)」といいます。
これらの雪崩は、人を巻き込んだり、強い力で物をこわしたりするため、とても危険です。雪がたくさん降った後や急にあたたかくなったときは、急な斜面には近づかないようにするなど、雪山では十分な注意が必要です。




