受賞一覧
2025年度日本地球惑星科学連合フェローとして顕彰されました
小原 一成フェローが2025年度日本地球惑星科学連合フェローとして顕彰されました。
日本地球惑星科学連合フェロー制度は、公益社団法人日本地球惑星科学連合が公益事業の一環として行うもので、地球惑星科学において顕著な功績を挙げ、あるいは日本の地球惑星科学の活動に卓越した貢献をされた方をJpGUにおいて高く評価し、名誉あるフェローとして処遇することを目的として設置するものです。
(日本地球惑星科学連合連合フェローのページより)
贈賞式は2025年5月25日から30日まで開催される日本地球惑星科学連合2025年大会にて執り行われる予定です。
受賞理由
プレート境界におけるスロー地震現象の発見とスロー地震学を創成した顕著な貢献
受賞者
防災科学技術研究所 フェロー
小原 一成

受賞コメント
このたび、日本地球惑星科学連合(JpGU)よりフェローとして顕彰されましたこと、大変光栄に存じます。
深部低周波微動の発見を端緒とする一連のスロー地震に関する研究は、私が防災科研に在籍していた2000年頃より、高感度地震観測網Hi-netの構築に従事する傍らで進めてきました。深部低周波微動とは、振幅が微弱で低周波に卓越する継続時間の長い振動であり、ちゅう密かつ高SNの観測網であるHi-netによって、その発見が可能となったものです。
新たに開発した震源決定手法により、深部低周波微動が南海トラフ巨大地震震源域の深部側を縁取るように分布することを明らかにし、2002年にサイエンス誌で論文発表したところ、世界的にも大きな反響をもたらしました。
その後、深部低周波微動活動に伴って数日間に渡りプレート境界がゆっくりすべる短期的スロースリップイベントや、数10秒の卓越周期を有する深部および浅部超低周波地震など、当時の若手研究者とともに一連のスロー地震を次々と発見することができました。
その結果として、東京大学地震研究所に異動した後に国内外からいくつかの賞を受けさせていただきましたが、受賞業績の多くは防災科研時代に得られたものであり、今回、防災科研の一員としてJpGUから賞をいただいたことは、とても感慨深いものがあります。
今後も、地震研究の推進に少しでも貢献できるよう、微力を尽くしてまいりたいと思います。